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国見で6度選手権制覇、名将・小嶺忠敏が明かす“三浦淳寛の伝説” 「大会期間中だけは自主練習をやめてくれ」
2021/01/10 17:01

小嶺忠敏が厳しくも愛情のこもった指導で育てた“個性的プレーヤー”は数知れない
photograph by
Takuya Sugiyama
国見を6度の優勝に導いた74歳の名将は、今年度も選手権の舞台で指揮を執った。小嶺サッカーの代名詞は、走力と体力。それでありながら、なぜ「個」が育つのか。厳しさと愛情に溢れた指導哲学に迫る。<初出:Sports Graphic Number 995号(2020年1月17日)[国見を率いた名将を訪ねて] 小嶺忠敏の流儀 肩書などすべて当時>
2002年の春休み。国見高校サッカー部一同を乗せたバスは、強豪校を集めて開かれる大会に参加するため、岐阜県大垣市に向かっていた。2カ月前に2年生で選手権優勝を経験した渡邉大剛は、はりきっていた。新チームの主将に指名されたからだ。その反面、ちょっとだけ調子に乗っていたのかもしれない。彼の首には、銀色のネックレスがぶら下がっていた。