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なぜベンチ外のはずの阿部さんが? 「浦和の背番号22を継承」柴戸海に託された“天皇杯決勝前、40歳現役最後の貢献”とは
2022/01/21 17:02

2021年、ホーム最終戦の引退セレモニー前の阿部勇樹
photograph by
J.LEAGUE
2021シーズン限りでの引退を決断し、浦和レッズのユースコーチに就任した阿部勇樹。彼をジェフ、オシムジャパン時代から追い、2017年にはオシムと阿部との対面に立ち会った著者が、現役としてのラストミッションを描いた(全3回/#1、#2も)
2021年夏、早朝の大原サッカー場。
阿部勇樹は、誰もいない深緑のピッチに足を踏み入れた。大半の同僚たちは、まだクラブハウスにも来ていない。全体練習とはあえて時間をずらして、39歳のベテランはリハビリのメニューを組んでいた。
野崎信行トレーナーとともに、ゆっくりとピッチの外周を走る。ピッチの四隅にあるコーナーの外側を、几帳面に回っていく。誰かが見ているわけではなくても、走るコースをショートカットするようなことはしない。20年以上、ずっとそうしてきた。