医療ルネサンス
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腸がはみ出る病気(5)憩室 出血多い再発

腸がはみ出る病気(5)憩室 出血多い再発

内視鏡で憩室の出血場所を探す方法を再現する中路さん

 千葉県いすみ市のC子さん(69)は、2007年秋の夜、自宅で親戚とのだんらん中、便意を覚え、トイレで大量に下血した。真っ赤に染まった便器に青ざめた。急いで親戚の運転で同県鴨川市の亀田総合病院に向かった。車中で、「このまま死んでしまうのかな」と不安が頭の中を駆けめぐった。反面、痛みはなく、気分も悪くないので「変だな」という思いもした。

 消化器内科部長の 中路なかじ 聡さんが内視鏡で確認すると、大腸の壁の一部が外側に飛び出した 憩室けいしつ から出血していた。中路さんが医療用のクリップで止血し、治まった。憩室にも腸に栄養を送る動脈が通っているため、刺激が加わった拍子に出血することがある。血管が硬くなっていたり、脳 梗塞こうそく を防ぐために血が固まりにくい薬を服用したりしている高齢者に起きやすい。

 C子さんに持病はないが、過去に人間ドックを受けた際、大腸に憩室があると伝えられていた。「まさかそこから出血するとは思いもしませんでした」と振り返る。重い病気ではないことに安心し、貧血から回復するため、10日間入院した。

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