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緊急地震速報とは

2016年8月1日(月)17時09分頃、関東地方を震源とするM9.1、最大震度7という、震災レベルの緊急地震速報が発表されました。

ただ実際は本物の地震ではなく、間もなく該当の情報が取り消されました。なぜ、このような事が起きたのか。流れと仕組みを解説していきます。

何が起きたのか?

今回の緊急地震速報では、発表直後、会員向け地震アプリの利用者に通知が届き、鉄道が止まり、ビル内のエレベータが止まりと、首都圏を中心に少なからず影響が広まりました。

一方で、多くの人が知るエリアメールや、一般のテレビ放送では通知されませんでした。

情報が「出た」ところと「出なかった」ところがあったことになります。これは、気象庁が配信する緊急地震速報の種類によるものです。

緊急地震速報は2種類ある

緊急地震速報は「高度利用者向け」と「一般利用者向け」の二種類があります。

高度利用者向けの緊急地震速報(予報・警報)とは、

・「少しでも早く情報を知りたい」
・「震度4以下の地震でも情報を知りたい」
・「情報を元にシステムを制御したい」

というニーズを持つ、「事業者や特定の人だけ」に配信される緊急地震情報です。

これに対して、一般利用者向けの緊急地震速報(警報)は、「不特定多数の人」に向けて配信される情報です。

今回、配信されたのは「高度利用者向け」の緊急地震速報(予報)のみでした。この理由には、ある仕組みが関係しています。

揺れを観測した数が影響

緊急地震速報は、全国に配置されている地震計で揺れを感知したら、即座に配信されます。

「一般利用者向け」には、情報の精度を高める仕組みとして、2か所以上の地震計で揺れを感知しないと配信されない仕組みになっています。

一方、少しでも情報を早く知りたい「高度利用者向け」には、1か所で感知した時に即座に配信されます。
※ただし、弱い揺れの感知では配信されません。閾値は今回の説明では省きます。

1か所で揺れを感知した後、近隣の2か所目で揺れを感知しなかった場合、揺れなかったと判断され「キャンセル報」が配信されます。

今回は、気象庁の発表によると、配信元になった1か所目の地震計が、千葉県富津市の地点で、付近の落雷によるノイズを観測したとのことでした。

これが今回、特定の人のみに配信され、キャンセルされた誤報騒ぎの流れです。

緊急地震速報の仕組みを知っているか知っていないかで、身構え方は変わってきます。いざという時に備え、知識として身につけておきましょう。

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