雑学

車のルール vol.2 違反時の罰則、違反点数

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2016年12月12日更新

道路交通法は時代にあわせて改正されています。違反時の罰則、違反点数についてピックアップしました。安全運転にお役立てください。

・道路交通法違反の取締り状況ランキング(平成27年)※1

  1. 最高速度違反(スピード違反)
  2. 一時不停止
  3. 携帯電話使用等
  4. 通行禁止
  5. 信号無視

・12月は死亡事故が多い月!

平成27年の月別交通事故死亡者数をみると、12月が一番多いことがわかります。帰省などで交通量が多くなることはもちろん、飲酒の機会が増えたり、いつも車を運転しない人が運転する機会が増える時期です。なにかと忙しい時期ですが、安全運転に特に気をつけましょう。

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※1※2警察庁 平成27年度「交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況について」より算出

・交通反則通告制度

交通違反は、本来ならば裁判をしなければいけませんが、「交通反則告知書」(青キップ)を受けた場合は、期間内に反則金を納めることで、裁判を免除され、刑事上の責任も終了する制度です。あくまでも比較的軽微な違反(青キップ)が対象で、行政処分が科されるような違反(赤キップ)は対象外です。

・反則金を支払わないとどうなるの?

反則金を期日までに支払わない場合、新たな「納付書」が必要となります。その「納付書」で期日までに支払われなかった場合には、「交通反則通告制度」が適応されません。刑事訴訟手続がとられ、警察に出頭する必要が出てきます。その後、一般的には交通違反の略式手続き(簡易裁判所が検察官の請求により、裁判官の書面審理による略式命令で、100万円以下の罰金又は科料を科する)となります。裁判になると「反則金」ではなく「罰金」となりますで、罰金刑はいわゆる“前科”となります。

・違反点数は過去3年分の累積で判断される

過去3年間で違反・事故をしていない状態で、6点の違反となると免許停止30日になります。点数計算は累積方式。違反内容による「基礎点数」と事故の種類と負傷の程度で判断される「付加点数」があります。1年もしくは2年の間、無事故・無違反の場合には点数計算の優遇があります。いくつかの代表的な違反について、点数と反則金を記載します。反則金は、車両の種類によって変動しますが、今回は普通車の場合を記載しました。

スピード違反

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違反点数
50以上 12
30(高速40)以上50未満 6
25以上30(高速40)未満 3
20以上25未満 2
20未満 1
反則金
高速道路35以上40未満 3万5千円
高速道路30以上35未満 2万5千円
25以上30未満 1万8千円
20以上25未満 1万5千円
15以上20未満 1万2千円
15未満 9千円

・黄色は信号無視になるの?

信号無視に該当する場合もあります。信号が黄色の場合は、停止位置前に安全に止まれない場合を除いては、停止しなければいけません。黄色は「止まれ」と考えましょう。

駐停車違反

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違反した場所によって、違反点数も反則金も異なります。

違反点数
駐停車禁止場所等 2
駐車禁止場所等 1
反則金
違反した場所、放置か非放置かなどによって金額が異なります。金額は1万円~1万8千円です。

・放置ってどんな状態?

放置については、停車時間や運転者の距離、エンジンを止めているか、ハザードランプをつけているか、ということは関係ありません。違法駐車かつ運転者がその車両を離れて直ちに運転することができない状態にある場合です。

飲酒運転

画像 飲酒運転はその過失の大きさから、反則金はなく、行政処分が科されるような違反(赤キップ)となります。また違反点数も呼気1リットル中のアルコール濃度0.15 mg以上でも13点。これだけで停止90日です。他の違反が1点でもあれば、取消1年です。

違反点数
酒酔い運転 35
酒気帯び運転
呼気1リットル中のアルコール濃度(mg)
0.25以上 25
0.15以上~0.25未満 13

酒酔い運転は、泥酔しており、運転が難しいと判断された場合です。アルコール濃度は関係ありません。まっすぐ歩けないなど、運転者の酔いで判断されます。逆に酒気帯び運転では、基準以上のアルコールを体内に保有して運転していることが判断基準となります。自分では酔っていないと思ってもNGです。

また、お酒を飲んで車を運転すると知った上で、車に同乗した人、お酒を提供した人・お店、一緒に飲酒した人も罰せられます。例えば同乗者には、運転免許の行政処分(取消・停止)はもちろん、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金となります。同僚や家族の「少ししか飲んでないから」「距離が近いから」という言い訳にも必ずNOを。大変危険なことです。

・何時間たったら運転していいの?

運転までどのくらいの時間をあければいいのか?という点が気になるかと思いますが、アルコールのほとんどは肝臓で分解されます。そのため、飲酒したアルコールの量によって分解に時間がかかります。運動した(汗をかいた)からOK、寝たからOKとはなりません。汗や尿で排出されるアルコールは約10%程度、睡眠によって逆に分解が遅くなるというデータも出ています。スッキリしたから大丈夫、ということではありません。

一般的にはビール2杯(350ml×2)を分解するのに必要な時間は、約6時間程度と言われています。飲酒量が多い方は深夜に飲酒すると翌朝まで体内にアルコールが残る可能性が高いです。自分では大丈夫だと思っても、アルコールの影響を受けています。運転の可能性が高い前日には、飲酒を避けた方が安全です。付き合いなどで避けられない場合には、早い時間で切り上げる、量を少なめにする、アルコールの少ないお酒を選ぶなど工夫しましょう。

体質によってアルコールの分解が遅い方もいます。日常的に運転される方で、飲酒の機会が多い場合には、アルコールチェッカーの購入を検討しても良いかもしれません。数千円から購入できるようです。

・ノンアルコールでも飲酒運転!?

日本ではアルコール含有量が1%未満だとノンアルコール飲料として扱われます。そのためノンアルコールビールの中には少量のアルコール分を含むものもあり、大量に飲むとアルコール血中濃度が高まって「酒気帯び運転」になります。(アルコール分0.00%と表記されているものは大丈夫のようです。)ラベル等の表示に注意し、うっかり飲酒運転という事態にならにようにしましょう。

※点数や反則金、罰則に関する内容は、2016年11月時点の警視庁ホームページ(http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/)を参考・引用しています。道路交通法の改正により都度変更される可能性があります。正確な情報は都道府県警察のサイト等で定期的な確認をお願いします。

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