コラム

ANAとJALのお得な運賃、予約のタイミングと注意点

公開日:2018年9月1日

ANA(全日本空輸)やJAL(日本航空)といった大手航空会社が販売する航空券の運賃は、早めに予約・購入すると安く、直前だと高いのが基本です。 予定があらかじめわかっている旅行や帰省、年末年始や大型連休、コンサートやスポーツイベントなどは、早めにチケットを確保しておくのが良いでしょう。 大手航空会社が販売する最も安い運賃について、どのタイミングで予約するのがベストなのか、どれぐらい安いのか、格安運賃ならではの注意点などをまとめました。

ANAは「ANA SUPER VALUE」、JALは「先得」

ANAが販売する国内線航空券で最も安い運賃は「ANA SUPER VALUE(ANAスーパーバリュー)」(旧名:旅割)と「ANA VALUE(ANAバリュー)」(旧名:特割)です。

ANA SUPER VALUEとANA VALUEは、搭乗日75日前、55日前、45日前などで予約できる運賃です。空席予測によって運賃が大きく変動する一方、 「早いほどお得」なのはほぼ間違いないでしょう。東京=札幌、沖縄などの人気路線は早々に席が埋まるので、とにかく早く予約するに越したことはありません。

ANAが販売するお得な運賃の運賃について(ANA公式ホームページより)

一方、JALの早期割引運賃は「先得」です。75日、55日、45日、28日前でそれぞれ運賃プランがあり、最も安い運賃が設定されているのが75日前までの予約「ウルトラ先得」、55日前までの予約「スーパー先得」。ANAと同様、空席予測に応じて運賃が変動します。

これらのお得な運賃は、ANAとJALで大差なく、ほぼ同額と考えてよいでしょう。事前座席指定も可能です。

【運賃例】JAL「先得」の場合(普通席、片道)
東京(羽田)=札幌(新千歳)8,500円~(ウルトラ先得)/9,500円~(スーパー先得)
東京(羽田)=福岡 9,100円~(ウルトラ先得)/9,600円~(スーパー先得)
東京(羽田)=沖縄(那覇)8,600円~(ウルトラ先得)/8,700円~(スーパー先得)
(2018年10月分)

最安運賃が発売されるタイミングは「年2回」

これらの最安運賃は、「夏ダイヤ」「冬ダイヤ」の年2回、運航ダイヤ期間ごとに一斉発売されます。例年、夏ダイヤ(3月の最終日曜日~10月の最終日曜日の直前の土曜日)の搭乗分は1月下旬頃、冬ダイヤ(10月の最終日曜日~翌年3月の最終日曜日の直前の土曜日ご搭乗分)は8月下旬頃です。

時期が近づくと、公式ホームページなどに発売スケジュールが掲載されるので、事前にしっかりチェックしましょう。

年2回ある一斉発売の前になると大きめに告知されます(JAL公式ホームページより)

マイレージ会員向けの「先行予約」は要チェック

ANAとJALともに、自社のマイレージ会員などは一般よりも早い“先行発売”があります。

この発売の順番は基本的に、上級会員(プレミアムメンバー/FLY ON ステイタス会員など)→自社のカード会員(ANAカード/JALカード)→クレジット機能がないマイレージカード会員→一般、となります。

ANAカード、JALカードを持っていると、一般よりも早い先行発売でお得な運賃が予約できます

人気路線は、先行発売とほぼ同時に予約が次々と入ります。座席をいち早く確保するために、少なくとも入会費年会費無料のマイレージ会員に入るか、ANAやJALそれぞれのクレジットカード会員に入ったほうが長い目で見るとお得です。

「ANA SUPER VALUE」の2018年冬ダイヤ分の発売時期(ANA公式ホームページより)

搭乗日355日前から予約できる「ANA SUPER VALUE EARLY」が新登場

ANAの最安運賃はこれまで年2回が発売のタイミングでしたが、2018年9月3日から「ANA SUPER VALUE EARLY(ANAスーパーバリューアーリー)」が新たに登場します。この運賃は、搭乗日355日前の朝9時30分から予約可能。年末年始だけでなく、さらに先のゴールデンウィークや夏休みの予約もできます。購入できるのは、ANAマイレージクラブ会員のみ(同行者も含めて全員)

「ANA SUPER VALUE EARLY」と他の運賃との発売時期の違い(ANA公式ホームページより)

「ANA SUPER VALUE EARLY」も、空席予測によって運賃が変動します。予約期限は、運航ダイヤ確定前まで、支払期限は予約日当日です。購入後の予約変更は不可。払戻手数料はかからず、取消手数料は搭乗日54日前以降の出発前だと運賃額の約30~60%かかります(出発後は運賃の100%)

【運賃例】 ANA SUPER VALUE EARLY(普通席、片道)
東京=札幌 22,400円~33,400円
東京=福岡 24,500円~36,500円
東京=沖縄(那覇) 27,000円~40,200円
(2019年3月31日~10月26日搭乗分)

「ANA SUPER VALUE EARLY」の利用条件(ANA公式ホームページより)

これまで年2回の一斉発売だったのが、この運賃の新設で、今後、繁忙期の“チケット争奪戦”のタイミングが大きく変わるかもしれません。ただ、「ANA SUPER VALUE」と比べると運賃が高めに設定されています。

早期割引運賃の主な注意点5つ

早く予約するとお得な運賃は、出発までに注意すべき点がいくつかあります。

特に、一度購入すると予約を変更する際に手数料がかかる、早く予約するほどその手数料が高いこと。これは早期予約で最大のリスクとも言えます。また、一般よりも早く数日前に「先行発売」があるのも注意しましょう。

■予約変更ができない
■取消手数料がけっこうかかる
■運賃が大きく変動する
■事前に座席指定できる数が少ない
■先行発売は上級会員やカード会員から


ANA https://www.ana.co.jp/
JAL https://www.jal.co.jp/

羽田空港(空路)

東京都大田区羽田空港3丁目

新千歳空港

北海道千歳市美々

那覇空港

沖縄県那覇市鏡水

福岡空港

福岡県福岡市博多区下臼井


Aki Shikama
NAVITIME TRAVEL EDITOR

旅行・航空ジャーナリスト / フォトグラファーです。 主な取材ジャンルは、飛行機と空港。カメラは、Nikon。 1年中、国内と海外をよく飛び回っています。 空港のラウンジと飛行機撮影、スタバ、機内食がライフワーク。 https://sola-trip.com/

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