「ちょっと時間があるから、お茶でも飲む?」
こんな会話は今も昔も変わらないものです。ただ女性にとって、その場になるのはここ近年「カフェ」であり、昔ながらの「喫茶店」に足を運ぶことは少なくなっているのではないでしょうか。
その一方でウィークデーに働く社会人のオジサンにとって、仕事の合間に一息つける喫茶店の存在は貴重なものです。
そんなお店で思いつくのは1964年に東京・日本橋に第1号店を開店した「喫茶室ルノアール」です。ネットでは「喫茶店の最強はルノアール」という声もあるほど、愛着を持っている人々は非常に多い模様。そして、他のコーヒーチェーン店と比べると「おじさん」が多いのも特徴的です。では、...
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「ちょっと時間があるから、お茶でも飲む?」
こんな会話は今も昔も変わらないものです。ただ女性にとって、その場になるのはここ近年「カフェ」であり、昔ながらの「喫茶店」に足を運ぶことは少なくなっているのではないでしょうか。
その一方でウィークデーに働く社会人のオジサンにとって、仕事の合間に一息つける喫茶店の存在は貴重なものです。
そんなお店で思いつくのは1964年に東京・日本橋に第1号店を開店した「喫茶室ルノアール」です。ネットでは「喫茶店の最強はルノアール」という声もあるほど、愛着を持っている人々は非常に多い模様。そして、他のコーヒーチェーン店と比べると「おじさん」が多いのも特徴的です。では、なぜルノアールに「おじさん」が多いのでしょうか?
●「ルノアール」におじさんが多い理由
そこには「昔からあるから」と一言で片づけられない理由があります。利用者の立場から考えてみましょう。ルノアールのコーヒーの値段は600円程度とやや高めです。学生ら若者にとっては300円でコーヒーが飲める他のチェーン店と比べると、敷居が高いと感じるでしょう。そのため、若者が少なく、相対的に年齢の高い人の利用が多いのです。
さらに、大正モダンをイメージしたシックな内装、イスやテーブルのゆったりとした配置など、くつろげる環境が整備されています。 2012年に「労政時報の人事ポータル jin-Jour」が行ったインタビューで、当時の代表取締役社長 小宮山文男氏はルノアールのコンセプトを「自宅では味わえない雰囲気を持つ店として、ホテルのロビーを意識した喫茶店にした」と語っています。喫茶室ルノアールのウェブサイトでも「都会のオアシス」をうたい「ビジネスユースや語らいの場としてご利用ください。」と書かれています。
そして、意外に知られていないこととして、ルノアールでは必ず喫煙ができます。喫煙規制が厳しくなった現在は、愛煙家にとってコーヒーを飲みながらタバコの煙をくゆらせながら物思いに耽れることのできる貴重な場所となっているのです。
お値段はちょっと高めだけれど、静かで落ち着いてくつろげる空間であることが、仕事の合間にホッと一息つきたいサラリーマンを惹きつけ、「おじさんのオアシス」として定着したと言えるでしょう。
●ここ近年はセルフカフェなどの業態も
実はルノアール、様々な店舗名を持って新たな客層開拓をしています。代表格で言えば「NEW YORKER’S Cafe」でしょう。「コトバンク」の「デジタル大辞泉プラス」によると、「スターバックス」などが日本に定着し始めた1999年に第1号店がオープンしています。いわゆるセルフカフェとして利用したことがある方は多いのではないでしょうか。
また2015年7月には銀座インズに女性をメインターゲットにした「瑠之亜珈琲」を開店。同社の公式サイトのメニューを見てみると、コーヒーだけでなくオシャレなティーポットに入った紅茶、スムージーや「ブルームーン」といったビールに始まり、女性向けの見た目と内容量の日替わりランチセットも用意されています。
執筆するにあたり、せっかくなので筆者も「瑠之亜珈琲」に足を運ぶことにしました。やはり、アップルパイをはじめとした女性向きのメニューが多い印象でした。ただ訪れた際の男女比率を見ると、半々と言ったところ。日本屈指のビジネス街ということもあってかもしれませんが、サラリーマンのくつろぎの場所であるということで、ルノアールのDNAを脈々と受け継いでいるのでしょう。
<参考サイト>
・労政時報:トップインタヴュー株式会社銀座ルノアール代表取締役社長小宮山文男さん
https://www.rosei.jp/jinjour/article.php?entry_no=57369
・喫茶室ルノアール
https://www.ginza-renoir.co.jp/renoir/
・瑠之亜珈琲
https://www.ginza-renoir.co.jp/runoacoffee/
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