弁護士と言えば、かつては花形かつ高年収の職業というイメージが強くあります。『十二人の怒れる男』や『レインメーカー』などの数々の名画が生まれたこともあり、世界各国でインテリ層にとって夢見る仕事の1つです。
ただここ近年、日本における弁護士は“食えない仕事”になりつつあるという衝撃のタイトルがつけられたのは朝日新書が出版した『弁護士の格差』という本で「食えない資格ナンバーワン」との表現は、大きな波紋を呼びました。また別冊宝島でも『弁護士の格差』という同タイトルの本か2016年8月に発売されており、そこに並ぶ見出しは非常に刺激的なものが並びます。〝3万7000人を超えた弁護士ワーキングプアも急増中...
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弁護士と言えば、かつては花形かつ高年収の職業というイメージが強くあります。『十二人の怒れる男』や『レインメーカー』などの数々の名画が生まれたこともあり、世界各国でインテリ層にとって夢見る仕事の1つです。
ただここ近年、日本における弁護士は“食えない仕事”になりつつあるという衝撃のタイトルがつけられたのは朝日新書が出版した『弁護士の格差』という本で「食えない資格ナンバーワン」との表現は、大きな波紋を呼びました。また別冊宝島でも『弁護士の格差』という同タイトルの本か2016年8月に発売されており、そこに並ぶ見出しは非常に刺激的なものが並びます。〝3万7000人を超えた弁護士ワーキングプアも急増中〟〝アルバイトで食いつなぐ、年収200万台の貧乏法曹たち〟〝広がる弁護士の「地域格差」〟…弁護士にもピンからキリまである現状を列記しています。
●平均年収は2008年1200万円、2014年には693万円
では本当に、弁護士の報酬は落ちているのでしょうか。
それを調査したのがPRESIDENT Onlineの「弁護士の給料半減!年収200万~300万も当たり前の悲惨な現実」。そこでは、日本弁護士連合会が作成している「弁護士白書」による所得について紹介。2008年が1200万円だったのが2010年には817万円、2014年には693万円と一気に下降していることを伝えています。
●弁護士が増えたことによって“供給過多”に
この問題を語る際、見逃せないのは弁護士数です。政府が2002年に閣議決定した「司法制度改革推進計画」によって法科大学院創設と司法試験合格者の拡大を打ち出した結果、2006年の22021人から2014年には35045人にまで増加しました。しかしこれが結果的に“供給過多”状態となり、結果的に稼げない弁護士が増えたとみられています。
このため弁護士が所属する事務所も特定の案件に集中するところが増えていますが、その1つが「過払い金返還」です。しかしそれを手がける「アディーレ法律事務所」は2017年10月、顧客獲得のために期間限定の割引サービスのキャンペーンを、5年間にわたって続け、過度な宣伝をしたとして2カ月の業務停止処分を受けたことは記憶に新しいでしょう。
とはいえ、東洋経済ONLINEでは『まだまだある!「弁護士は食えない」のウソ』との記事タイトルで、平均所得は今もなお開業医に次ぐ水準であると記しています。平均年収.JPによると、それぞれの世代の平均年収は20代で630~785万円、30代で862~984万円、40代以降となると1000万円を超えており、いまだに高収入であることは間違いありません。
担当する人の生活、人生を大きく変える可能性がある弁護士は、今も昔もその重みは変わりません。その意義を感じて法曹の仕事に取り組む人々に、正当な報酬が払われる世の中であってほしいところです。
<参考文献・参考サイト>
・『弁護士の格差』 (秋山 謙一郎著、朝日新書)
・PRESIDENT Online:弁護士の給料半減! 年収200万~300万も当たり前の悲惨な現実
http://president.jp/articles/-/18443
・東洋経済ONLINE:まだまだある!「弁護士は食えない」のウソ
http://toyokeizai.net/articles/-/67640
・平均年収.jp:弁護士の平均年収
http://heikinnenshu.jp/shi/bengoshi.html
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