最近では「洗えるニット」といった商品や、おしゃれ着洗剤やドライコースのある洗濯機も普及し、自宅でセーターやカーディガンを洗濯する人が増えてきた。しかし「自分で洗って、うっかりニットを縮ませてしまった。」という声もよく聞く。
今回はどの家庭にもある身近なアレを使って、縮んだニットを元に戻す方法をご紹介する。
●ニットの縮み、その原因は水と摩擦
動物性の毛糸繊維の表面は、人間の髪の毛と同じく魚のウロコのような形状になっている。普段ウロコは閉じている状態なので問題ないのだが、水に浸かるとウロコは開く性質がある。
その開いた状態で洗って摩擦が加わると、繊維同士が擦れ絡まりやすくなってしまうため、毛糸が...
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最近では「洗えるニット」といった商品や、おしゃれ着洗剤やドライコースのある洗濯機も普及し、自宅でセーターやカーディガンを洗濯する人が増えてきた。しかし「自分で洗って、うっかりニットを縮ませてしまった。」という声もよく聞く。
今回はどの家庭にもある身近なアレを使って、縮んだニットを元に戻す方法をご紹介する。
●ニットの縮み、その原因は水と摩擦
動物性の毛糸繊維の表面は、人間の髪の毛と同じく魚のウロコのような形状になっている。普段ウロコは閉じている状態なので問題ないのだが、水に浸かるとウロコは開く性質がある。
その開いた状態で洗って摩擦が加わると、繊維同士が擦れ絡まりやすくなってしまうため、毛糸が硬くなったり縮みの原因に。毛糸同士が引っ張り合って収縮し、まるで圧縮したフェルト素材のようなセーターになってしまうことも。
●「洗えるニット」も、安心して洗えない?
「洗えるニット」は、水の中でもこのウロコが開きにくい処理をしたり、ウロコの突起部をカットするなどし、摩擦による縮みを防ぐ「防縮加工」をほどこしている。
しかしその効果が発揮されるのは、洗濯表示に忠実に従った場合のみ。手洗いマークのあるものを洗濯機で強く洗ったり、濡れた状態で長時間が放置してたり、繊維と相性の悪い洗剤の使用などでウロコが開くこともあり、「洗えるニット」と言えども縮みを招いてしまうのだ。
●お風呂のアレで、縮んだニットを元に戻そう
そんな自宅での水洗いで縮めてしまったニット、元に戻そうとクリーニング店に相談する手もあるが、その料金は普通のクリーニングの数倍。また、物によっては復元不可能な縮みも。
ところがどの家庭にもあるアレを使えば、ある程度自分で復元することができる。そのアレとは、お風呂の洗髪で使用するリンスやコンディショナー。髪の毛の表面と同じくウロコに覆われている毛糸にも、リンス類に含まれるシリコン成分の髪の毛をほぐし滑らかに整える働きが効果的。縮んだ繊維をほぐして伸ばす効果が期待できるのだ。
1.ぬるま湯にリンス類を溶かす
洗面器にぬるま湯を張り、リンス2プッシュを良く溶かす。リンスやコンディショナーのシリコン成分が収縮した繊維をほどくので、「ジメチコン」「アモヂメチコン」というシリコン成分表示のあるリンスをチョイス。
2.ニットを30分漬け込む
ニットが全てお湯に浸るようにして、30分前後漬け込む。洗うように動かしたり擦ったりすると繊維が傷む可能性があるので注意。あまり触らず放置する。
3.水で濯がず、軽めに脱水する
ネットに入れ、洗濯機で1分程のごく短い時間で脱水。シリコン成分を浸透させ絡み合った繊維を緩ませ伸ばすことが大切なので、脱水前の濯ぎはなし。
4.ニットを伸ばして干す
伸ばしたい方向に引っ張り、ハンガーにかけるか平干しを。縮みがひどい場合は、伸ばしたいサイズや形に厚めの段ボールを切り、そこにセーターを着させ固定したまま乾かす。
完全に元通りにするのは難しいが、この方法で7cmほど着丈が伸びることも。
そもそも水と毛糸は相性が悪い。どんなニットも水洗いをした時点で、縮みの可能性が高まるということをお忘れなく。
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