NHKの受信料は一体どういった状況で支払う義務が生じるのでしょうか。一度整理しておきましょう。
●こういう時は受信料を払わなければならないが……
放送法(第64条)には「協会(NHK)の放送を受信することのできる受信機を設置した者は、協会(NHK)と契約を結ばなければならない」とあります。受信機とされるものにはテレビのほかに、受信機能付きビデオレコーダー、TVチューナー付きパソコン、ワンセグ付き端末(携帯電話、タブレット等)、TVチューナー付きカーナビといったものが想定されています。
このなかで、ワンセグ付き端末に関して、2016年8月、さいたま地裁で訴訟が起こりました。NHK側は、ワンセグ携...
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NHKの受信料は一体どういった状況で支払う義務が生じるのでしょうか。一度整理しておきましょう。
●こういう時は受信料を払わなければならないが……
放送法(第64条)には「協会(NHK)の放送を受信することのできる受信機を設置した者は、協会(NHK)と契約を結ばなければならない」とあります。受信機とされるものにはテレビのほかに、受信機能付きビデオレコーダー、TVチューナー付きパソコン、ワンセグ付き端末(携帯電話、タブレット等)、TVチューナー付きカーナビといったものが想定されています。
このなかで、ワンセグ付き端末に関して、2016年8月、さいたま地裁で訴訟が起こりました。NHK側は、ワンセグ携帯は受信設備であり、「所持することが設置に当たる」と主張しました。一方、原告側は「携帯しているにすぎない」と主張し、原告側の主張が通った形になっています。ですが、NHK側は控訴しているので、最終的な結論はもう少し見守る必要があります。
ちなみに、同一住居内にある受信機はまとめて一件と計算されるので、たとえばTVの他にカーナビでテレビを見られる環境にあったとしても、支払いは一件分で大丈夫とのことです。
また、受信契約の違反に対しては、現時点で罰則の規定はありません。しかし、NHKによれば、「受信契約は結んでも結ばなくてもよいというものではなく、法律に定められた、受信設備を設置した方の義務」ということです。
●受信料を支払わなくてよい条件
では、逆に受信料を支払わなくてよい条件とはどんなものでしょうか。まずは、受信機がない場合。もし受信機があったとしても、受信アンテナがない場合は契約対象外です。また、受信機が壊れている場合も契約義務はありません。
これとは別に、契約後、受信料が減免される状況もあります。たとえば、生活保護を受けている世帯は受信料が全額免除になります。また、「視覚・聴覚障がい者が世帯主かつ契約者である世帯」は、受信料が半額免除されます。これら減免条件について、詳しくはウェブサイト「NHK受信料の窓口」で確認できます。
●受信料の割引制度はどんなものがある?
割引に関しては、親元を離れて暮らす学生の方等を対象とした、「家族割引」や、ケーブルテレビ局などを通して加入する「団体一括割引」といったものもあります。特に「家族割引」はあまり知られていないようですが、なんと50パーセントオフとのこと。ウェブサイト「NHK受信料の窓口」から申し込むことができます。団体一括割引はケーブルテレビ局やプロバイダ契約とともに申し込みができ、年間でおよそ2000円弱の値引きといったところです。
●契約解除の流れ、また解除が認められない例は?
もし、テレビを捨てたりして契約を解除したい場合は、NHKのフリーダイヤルや最寄りの放送局の窓口に電話するといいそうです。解約届を送ってもらい、記入して返送することで解約できるとのこと。場合によっては審査(電話もしくは訪問)もあるようですが、基本的にこの流れで解約できます。
なお、放送法からすると、「受信機がない」と言い張っても、また、「受信機はあるがテレビは見ない」ことが事実であっても、契約の解除はできる見込みはなさそうです。
●NHK受信料は必要なのか?
個人の所持する端末はもはやテレビも新聞の情報も包括しています。しかも無料でも見ることができる時代です。そんな時代に、なぜ2カ月ごとで約数千円のNHK受信料(契約は2カ月払いが基本)を支払わなければならないのかという議論が起こるのは当然でしょう。一方、放送法で契約義務となっていることも事実です。また、受信料の徴収に関しては、マイナンバーを活用することが検討されているといいます。マイナンバーで受信料を払っているかどうかがわかるようにする、ということでしょうか。
いったい、今後どうなっていくのでしょう。いずれにしても受信料に関しては、しっかりとその意味と役割をあらゆる方面から検証してほしいところです。
<参考サイト>
・NHK受信料の窓口:NHK放送受信契約・放送受信料についてのご案内
https://pid.nhk.or.jp/jushinryo/about_5.html
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