町田啓太、自分なりの“土方歳三”に 2度目の大河ドラマ挑戦「自分自身も強くあれたら」<青天を衝け>


【モデルプレス=2021/04/22】大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合、毎週日曜よる8時~)に出演する俳優の町田啓太が、このほど行われた取材会に出席。『西郷どん』以来2度目となる大河ドラマへの思いや、土方歳三の魅力などについて語った。

町田啓太(C)NHK
町田啓太(C)NHK
◆大河ドラマ「青天を衝け」

今作は“大河新時代”第2弾、4Kフル撮影による大河ドラマ第60作。新一万円札の顔としても注目される「渋沢栄一」を主人公に、幕末から明治の激動の時代を描く。脚本は連続テレビ小説『風のハルカ』『あさが来た』などの大森美香氏が担当。

町田が演じるのは土方歳三。土方は、池田屋事件で功績を挙げた新選組の副長。幕臣になった栄一(吉沢亮)とある任務で出会い、同じ百姓出身ということもあって意気投合する。鳥羽・伏見の戦いで敗れるが、官軍に抵抗して各地を転戦。榎本武揚や栄一の従兄・喜作(高良健吾)らと箱館に渡り五稜郭を占領するが、新政府軍との壮絶な闘いの中で戦死する。

◆町田啓太、土方歳三役で2度目の大河ドラマ出演「光栄」

― 『青天を衝け』に出演が決まった時の心境を改めてお聞かせください。

町田:土方歳三役で参加させていただけるというお話を聞いた時は、すごく楽しみにしていました。僕はもともと時代劇が好きで剣道を始めたというのもあるし、新選組の土方歳三ということで、もしかしたら殺陣もあるのではないかというところに心を惹かれました。僕自身、大河ドラマには強い思い入れがあるので、また挑戦させていただけることを光栄に思います。

― 『西郷どん』以来2度目の大河ドラマですが、前回との変化などはありますか?

町田:『西郷どん』の時は初めてで、どう見てもすごく力が入っていたので(笑)、今回はもう少し心の余裕を持って入れるように準備しなければいけないと思い、『西郷どん』に出演させていただいた時とは違う感覚で挑んでいます。自分が演じる役をできる限り知って演じていく、ということに関しては、あまり変わりはないのですが、今回は浮足立つ心をちょっと抑えながら「落ち着け」と自分に言い聞かせて演じています。

僕は撮影の途中から現場に入ったので、すでに全体の空気感はできあがっていたのですが、『西郷どん』を含めNHKの作品で前にご一緒したスタッフさんたちと今回またご一緒できて、『あの作品良かったよ』などと声をかけてもらい、迎え入れてもらえてすごくありがたかったです。

― 大河ドラマは長期に渡って同じ役を演じますが、他の作品やお仕事の切り替えをどうしていますか?

町田:衣装の力はすごくて、衣装を着させてもらってカツラを被せてもらうと、自然と呼び戻されます。役を演じるにあたっては、書き留めていたものを読み返して、自分の中でもう一度確認してから現場に行くと、すんなり入ることができます。

― だんだら羽織を羽織ることを熱望していたとお伺いしていますが、実際に羽織ってみていかがですか?

町田:いろいろな意味で大きいですね(笑)。実際に当時のものではないとしても、袖を通すとすごく身が引き締まります。未熟な幼少期を田舎道で過ごし、木の枝を振り回していた自分にとっては、すごく感慨深く、ありがたいご縁をいただけたなと思います。

◆「プレッシャーはあまりない」町田啓太ならではの土方歳三に

― 誰もが知る土方歳三を演じることに対するプレッシャーや、新たな土方歳三を作るにあたっての思いなどをお聞かせください。

町田:今まで土方歳三を演じてきた方たちも、それぞれ自分なりに土方歳三像をキャッチして、その作品の中での土方歳三をどう演じようかと懸命に探した結果、素晴らしい土方歳三に繋がっていると思うので、僕もしっかり演じたいと思うのと同時に、『青天を衝け』ならではの土方歳三を演じられたらいいなと思うので、そこに関してのプレッシャーはあまりないです。

― 土方歳三はとても人気のあるキャラクターですが、町田さん自身が感じた魅力を教えてください。また実際に演じて刺激を受けたり、学んだりしていることはありますか?

町田:土方歳三はすごく自信のある人だなと思います。「鬼の副長」と呼ばれるくらいなので、狂気な部分もあったりするのかなと思っていたのですが、調べれば調べるほど自分自身にも厳しく、周りにも厳しく、自分の筋を通そうとしていた人だと感じました。それは本当に心が強くないとできないことだと思うし、自信を持ってすすめるということは、きっと相当いろいろな考えを自分の中に落とし込まなければできないことだと思うので、すごいなと思う部分がたくさんありました。

実際に土方歳三を演じることで、自分自身も強くあれたら、と思いました。「どう生きるか」「どう死ぬか」というところに重きを置いていた人だと思うので、とても学びになっています。僕も“自分自身はどうありたいか”を自分に問うようになりました。

― 土方歳三のイメージは「自分に厳しく、周りにも厳しい」とのことですが、『青天を衝け』における土方歳三はどのような存在ですか?

町田:人物像を大事にしながら演じることはもちろんなのですが、『青天を衝け』では、やはり渋沢栄一とどう絡んでいくのかというところが注目のひとつだと思うんです。一見絡まなそうなふたりなので、そこがどう絡むのかというのを僕もすごく楽しみにしていました。渋沢栄一も田舎出身ということで、そこでシンパシーを感じるシーンがあるのですが、自分はどういう思いで武士になったのかを吐露する、すごく大好きなシーンです。僕自身も田舎出身なので、役を通してもシンパシーを感じながら演じられたらなと思っています。

― 演じる際に意識していることはありますか?町田さんとの共通点や違う点も教えてください。

町田:僕は東京や栄えている街に行く時に、自分の田舎者感をあまり出したくないなという思いがあったので(笑)、ファッションや流行っているものを学んでいたのですが、もしかしたらそういうところが土方歳三にもあったのではないかと想像しました(笑)。武家から武士になった人ではないため、「武士とはこうだろう」とイメージしているところもあると思うので、そこを意識して演じてみています。

なので共通点は、田舎街で育ち、僕の場合は芸能界や華やかなスポーツの世界に憧れを抱いていたところ、土方歳三の場合は武士への憧れを抱いていたところです。似ていないところをあえて言わせてもらうならば、僕は人に対してあまり無理強いはしないというところです。ただそれは時代が違うので、そうせざるを得なかったんだろうなという気持ちもわかるのですが、土方歳三は局中法度も出しているので、僕はそんな決断はなかなかできない小心者だなと思いました。

◆町田啓太、高良健吾からの一言に「汗をかきました」現場エピソード明かす

― 殺陣のシーンでは、吉沢亮さんや高良健吾さんとの共演が多いと思いますが、何かお話はしましたか?

町田:吉沢さんは気さくに話しかけてくださり、高良さんには、僕の殺陣のシーンを「控室からモニターで見てたよ」と言われて、すごく汗をかきました(笑)。でもそれが救いになって、優しいおふたりだなと思いました。

― 町田さんから見た、吉沢さん演じる渋沢栄一の魅力はどのようなところですか?

町田:常に前を向いている姿勢が素晴らしいし、いろいろなことにアンテナを張って気づけるのがすごいと思います。人生において、気づけないことのほうが多いと思うので、気づくことができるのは才能だなと思うし、それが吉沢さんとリンクして、魅力たっぷりなキャラクターになっています。

― 町田さん自身が当時を生きていたとしたら、どういう生き方をしていたと思いますか?

町田:そんなに命を張れていたか、というのは今の僕には到底想像がつかないです。何かあったらすぐに逃げていたかもしれないなと思うので(笑)、あんなに勇ましく生きれたかどうかはわからないのですが、家族を大事にしたり、人のために動けたりすることは素晴らしいことだと思うので、その時代をもし生きていたら、何かを良くするために前向きに生きられるような人であれたらいいなという願望はあります。…なれていない可能性が高いですが(笑)

― (笑)ありがとうございました。

役や作品と常に真摯に向き合っている印象がうかがえる町田。『西郷どん』から3年、役者として着実にキャリアを重ねている町田が『青天を衝け』で魅せる“新たな土方歳三”に注目したい。(modelpress編集部)

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