高橋一生、俳優人生で「今が最高と思えた」「もう死んでもいいと…」大河「直虎」で得た“生きている実感”<インタビュー>


【高橋一生/モデルプレス=8月16日】女優の柴咲コウが主演を務めるNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(毎週日曜よる8時)。戦国時代に愛を貫き自らの運命を切り開いた井伊直虎(柴咲)の生涯を描く本作で、直虎の幼馴染である井伊家筆頭家老の小野政次を演じる高橋一生が6月下旬、一足早くクランクアップを迎えた。その翌日に行ったインタビューでは、「昨日は寂しさがこみ上げてしまって、政次のことをずっと考えながらお風呂に入っていました」と小さく笑いながら、俳優人生において“最高の瞬間”だったという本作への思いを語った。

大河ドラマ「おんな城主 直虎」で小野政次を演じる高橋一生(画像提供:NHK)
大河ドラマ「おんな城主 直虎」で小野政次を演じる高橋一生(画像提供:NHK)

◆政次と“一体化”した1年…クランクアップの瞬間は

今作で5度目の大河出演となった高橋だが、撮了の瞬間は「これまでとは全く違った感慨深さがあった」という。

「最後の撮影が終わったときに、ワーッとみなさんが駆け寄ってきてくださったんです。ムロ(ツヨシ)さんなんて、普段着で走ってきてくれました(笑)。みなさんと一緒にいる空間がとても楽しかったので、政次としても、政次の役をやっている僕自身としても、もうその場にいられないのか、という感慨深さと寂しさがありました」。

それほどまでに作品と離れがたかったのは、役と向きあった約1年という時間の長さだけでなく、“同化していた”というまで政次に寄り添ってきたから。「常に政次の感覚になっていて、自分自身と政次を分離できないところもあった。無理やり引き剥がして客観視しようとしていた」というほどで、役との“一体化”は最後の撮影が近づくにつれて加速していったと話す。

◆表情に滲む感情―「ずっとしてみたかったお芝居とリンクしていた」

政次は、内に秘める本心を決して表に出すことはせず、井伊家のために自分の使命を全う。それゆえ、ときには“裏切り者”だと捉えられてしまうこともある。そんな政次の生き方を、高橋は「美しい」とし、「寡黙で沈黙を選ぶ、というのは僕がずっとしてみたかったお芝居とリンクしていた部分でもありました。どれだけ押さえ込んで内にあるものを隠せるか」と自身が目指してきた芝居スタイルと重ね合わせた。

高橋はこれまでも“見る人の想像力に委ねる芝居”を大事にしていると語ってきたが、多くを語らずとも感情が滲み出るような表情を見せる政次、高橋の演技は、視聴者がドラマに引きつけられた理由の一つであったと思う。

◆「今が最高だ」「俳優をやっていてよかった」政次から得た“生きている実感”

高橋一生(画像提供:NHK)
高橋一生(画像提供:NHK)
そして政次として生き抜いた今作について、「俳優としてお芝居をさせていただいてきた中で、『あ、今が最高だ』って思う瞬間がこの現場で何度もあったんです。決してネガティブに捉えていただきたくないのですが、もう死んでもいいと思う瞬間が」と充実感を滲ませて言い切った高橋。

その“最高の瞬間”の一つに、幼少期から次郎(柴咲)、直親(三浦春馬)、政次(高橋)がことあるごとに集って語り合ってきた、3人の関係性を表す象徴的な場所・井戸端でのシーンを挙げ、「特に第11回、このままずっと政次をやれたらいいのに、と思っていました。幼少期の関係性も踏まえたうえで、一度すれ違った3人が大人になってまた井戸端に集まってきた。何も考えず『3人でいると楽しいね』という雰囲気になったとき、『ああ、俳優をやっていてよかった』と。脚本に書かれた3人の美しく素敵な描写をお芝居でどうみせられるかと考えていたのですが、実際本番に入ると、もうそんなことを考えずに、ただただ幸福な時間を、僕としてではなく、政次として過ごせていたんです。それは役としてすごく幸せな瞬間でした」と、クシャッと笑って話す。

「『政次は苦しいですよね』と言われることが多いのですが、全然苦しくはなくて、 “生きている”という実感のようなものを政次から得ることが出来ました。だからこそ、ことごとく俳優をやっていてよかった、その場にいられてよかったと思えたのだと思います」。

20日放送の第33回「嫌われ政次の一生」では、政次の運命が大きく動く。「政次がした選択は最高の選択だと僕は思います」と高橋が語る政次の生き様を見届けてほしい。(modelpress編集部)

■第33回「嫌われ政次の一生」あらすじ
徳川と内通していた直虎(柴咲コウ)と政次(高橋一生)は、約束通り徳川勢の井伊谷への進軍を受け入れようとするが、その軍勢に向かって突然矢が放たれる。徳川の先導役を務めていた近藤康用(橋本じゅん)の罠であった。徳川勢に弓を引いた罪を政次に押し付け、井伊谷をわがものにしようと企んだのだ。政次の潔白を主張する直虎は牢に閉じ込められるが、そこに現れたのは他でもない徳川家康(阿部サダヲ)であった。

■高橋一生(たかはし・いっせい)プロフィール
1980年12月9日生まれ。東京都出身。ドラマ・映画・舞台で幅広い役柄を演じ実力派俳優として確かな地位を築く。2016年はドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)、『僕のヤバイ妻』(関西テレビ・フジテレビ系)、映画『シン・ゴジラ』などに出演。2017年は大河ドラマ『おんな城主 直虎』(NHK)、ドラマ『カルテット』(TBS系)、映画『3月のライオン』など。10月からは連続テレビ小説『わろてんか』(NHK)、『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(フジテレビ系)に出演するほか、海外ドラマ『THIS IS US 36歳、これから』(NHK)では主人公の声を務める。映画『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY‐リミット・オブ・スリーピング ビューティ‐』 が10月21日公開。

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