<小栗旬インタビュー>「批判も受け止めたい」坂本龍馬を演じる覚悟&大河ドラマ主演の可能性と本音を語る


【小栗旬/モデルプレス=7月15日】2018年NHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」(毎週日曜よる8時~)の15日放送の第26回より出演する俳優の小栗旬(35)がインタビューに応じた。小栗が今回演じるのは、幕末の風雲児・坂本龍馬。数々の俳優が演じてきた坂本龍馬を小栗はどう解釈し、どう演じるのか。そして、今回で7度目の大河ドラマ出演となるが、大河ドラマ“主演”をどう考えているのか。

「西郷どん」で坂本龍馬を演じる小栗旬(C)NHK
「西郷どん」で坂本龍馬を演じる小栗旬(C)NHK


◆鈴木亮平主演「西郷どん」、小栗旬は“坂本龍馬”役

今作は、「本の旅人」で連載中の林真理子氏 の「西郷どん!」が原作。男にも女にも“日本史上最もモテた男”で、明治維新のヒーロー・西郷隆盛を描く。主人公の西郷隆盛を俳優の鈴木亮平が演じ、脚本は連続テレビ小説「花子とアン」などを手掛けた中園ミホ氏が担当。

2013年「八重の桜」で吉田松陰を演じて以来、7度目の大河ドラマ出演となる小栗は、坂本龍馬役を演じる。龍馬は、言わずと知れた幕末の風雲児。常識破りの行動力と折衝力で、縦横無尽に動き「船で大海原を自由に飛びまわり、広い世界で商売をしたい!」と夢を抱く快男児。西郷と出会い、互いにその存在を認め合い鹿児島の自宅にも招かれる。けれど、徳川慶喜を温存しようとする龍馬は討幕派にとって邪魔者になっていくという役どころ。

◆小栗旬、坂本龍馬の役作りは?

今回小栗が演じる龍馬は“冒険家”のような人物だが、「『西郷どん』という作品の中では、龍馬は自分が行ってないところを全部見たいと思い、西郷さんに対して『広い世界に出て商売がやりたい』と話す人物なので、彼らからすると『この人は、この時代になにを言っているんだろう』と思われるかもしれませんが、その思いがあるからこそ、こういう行動になっているという見え方ができればいいなと思いながら演じています」と、演じる上で意識していることを明かした。

さらに、見た目に関する役作りについても分析したという。「刀は大刀しか持っていない。今回自分が作っているキャラクターでは、基本的に刀は使わないつもり。ピストルを使う人。ピストルを持っていて、剣術にある程度自信を持っている人だと思うので、ちっちゃい方はいらないだろうと考えました」。

◆小栗旬演じる坂本龍馬「批判、評価もありがたく受け止める」

2010年大河ドラマ「龍馬伝」では福山雅治など、これまで多くの俳優が“坂本龍馬”を演じてきた。小栗は「坂本龍馬を演じたいと思っている人は非常に多いと思います。僕自身も幕末の歴史を見てきた中で、やっぱり1番かっこいいなと思うキャラクターなので、それが出来るのはもちろんありがたくて、嬉しいことですが、とはいえ批判されるのは嫌だなって思うところもあります」と本音をこぼす。

「なにをやっても自分の坂本龍馬にしかならないと思っているので、その批判も、評価もありがたく受け止めたいなと思っています」と、どんな評価も受け止める覚悟をみせつつも、“かっこいいって言われるんだろうな”と声を掛けられると、小栗は「それしか僕にはないですからね(笑)。大した演技力がないので(笑)」と、周囲を笑わせる余裕もみせた。

また、多くの俳優が坂本龍馬を演じるだけでなく、ゲームにも登場するなど、現代において坂本龍馬はどのジャンルでも人気の人物。その理由についても考える。「司馬(遼太郎)さんが小説『竜馬がゆく』を書かれたことによってまた全然違う坂本龍馬になってきた時代を経て、僕たちの今になっていると思います。『そんなこと出来たらいいのにな』と思うことを幕末で数々やってきているので、男性的な感覚で言うとやっぱり憧れてしまう部分があるんじゃないのかなと思います」。

◆小栗旬にとって、鈴木亮平はどう映っている?

主演の鈴木とは、小栗が初監督をつとめた映画「シュアリー・サムデイ」(2010年公開)に出演するなど、2人の関係性は深い。今回の再共演について「熱い気持ちになります。24歳ぐらいのときに知り合ってから約12年。あのとき一生懸命芝居をしていた人が大河ドラマのど真ん中、主役をやっているのは面白いなって思います」と感慨深げ。

そんな西郷演じる鈴木の演技を間近で見ている小栗は「大変そう」と感じる。「月曜日から金曜日までリハやって撮影して、土日で必死に薩摩ことばをチェックしながらセリフを覚えている。今回参加してみて、やっぱり方言が難しい。方言で頭がいっぱいになってしまうと芝居が疎かになってしまうし、今度は芝居に熱を入れると方言が違うって注意されてしまう。そこが非常に難しいと思います」。

さらに、俳優同士でもディスカッションできる“いい関係性”を築き上げている現場だという。鈴木のリーダーシップについては「意識してそういう現場にしようと思っているんだろうなと思います」といい、「背負っているものは間違いなく大きいだろうし、大変なんだろうなと思うのですが、人それぞれ。主演になった人がやりたいように現場を作ればいいと思う。これが、亮平くんがこの1年間で作っている大河の世界だと思うので、単純にこれを1年間やっていることに、とてつもなく尊敬します」と讃えた。

◆小栗旬、大河ドラマ主演への想いと本音「いつかやれたら」

今作では中盤から終盤にかけての中心人物として出演するわけだが、「いつかやれたら。話をいただいたら考えますよね」と、小栗自身が今後大河ドラマで主演することもあるかもしれないと、周囲から期待の声が寄せられているという。「(大河ドラマ主演は)思っている以上にキツイことだと思います。たぶん亮平くんは1年4ヶ月ぐらい1つの役をやっていて、やりきれたときすごくやりがいを感じると思うのですが、出口の見えないトンネルをひたすら走っているような状態が続くと思うんですよね。それって不安だし、苦しいし、それでいて自分を見失っちゃう瞬間とかもあると思うのですが、すべてをやりきったときの達成感とか、大きなものがきちんと自分に返ってくると思います。だけど、俺は多分やっている最中にノイローゼになっちゃうかもしれないって感じます(笑)」。

そのため、鈴木に対して何度も「尊敬する」と繰り返す小栗。「やるぞって決めた亮平くんもだし、過去こうやって大河の主演をやってきた方たちを単純にすごいなと。僕自身はすごく飽き性なので、今回このぐらいの出方でよかったなって(笑)」と、これまで大河ドラマで主演をつとめた俳優を尊敬の眼差しで語った。

「やっぱり僕らのやっている芝居って、上手い下手とかそういうことが重要ではないと思っています。結局そのキャラクターがどうあるのか、どういう人物像として存在していけるのかということだと思います。それが上手くいったときにいいと言ってもらうこともあるのですが、最後の最後になにが出来るのかってなったとき、その役に関する洞察力とか、普通の人は感じないような心の襞みたいなものを感じることができた人が多分すごく魅力的に映るんだと思います。自分はそこがぼんやりしている。だからもう少し頑張らなくちゃと思っています(笑)」。これまで数々の作品で主演をつとめ、多くの人たちの心を動かしてきた小栗だが、大河ドラマ主演をつとめるには、まだまだ努力が必要だという。(modelpress編集部)

■7月15日放送「西郷、京へ」あらすじ

薩摩に戻った吉之助(鈴木亮平)は、一蔵(瑛太)の求めに応じ京へ。そんな西郷のうわさ話に花咲かせる男たちがいた。勝海舟(遠藤憲一)と坂本龍馬(小栗旬)、そして岩倉具視(笑福亭鶴瓶)だ。京では朝廷と幕府そして雄藩が合議で政を行う「参与会議」が開かれるが、一橋慶喜(松田翔太)はころころと意見を替え、島津久光(青木崇高)を徹底的に愚弄し会議は決裂。事態を打開するため吉之助は慶喜との再会を果たすが…。

■小栗旬(おぐりしゅん)プロフィール

1982年12月26日生まれ、東京都出身。O型。ドラマ『GTO』で連続ドラマに初めてレギュラー出演し、「花より男子」「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」などでブレイク。その後も、話題作に出演している。2000年以降は、舞台、映画でも存在感を見せている。また、2010年には映画「シュアリー・サムデイ」で監督をつめ、俳優業以外にも活動の場を広げた。2018年は大河ドラマ「西郷どん」出演のほか、映画「銀魂2 掟は破るためにこそある」(主演/8月17日)、「響-HIBIKI-」(9月14日)が公開される。

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