ウチはリアル『万引き家族』だった
人気芸人達が、大好きな映画人へ向けてラブレターで愛を伝えるこの企画。
今回登場するのはこの人!
EXIT・兼近大樹
今回、EXIT・兼近大樹さんがラブレターを書いた相手とは…?
樹木希林
主な出演作:『万引き家族』、『モリのいる場所』、『海よりもまだ深く』、『あん』、『海街diary』など多数
【EXIT・兼近大樹さんから樹木希林さんへのラブレター】
あの名シーンは絶対アドリブ!
ーーQ:樹木希林さんの訃報を知ったときはどんなお気持ちでしたか?
兼近:昔からよく観ていた女優さんだったので、とてもショックでしたね。
ーーQ:そもそも樹木希林さんを好きになったきっかけは?
兼近:夫である内田裕也さんとの夫婦関係に惹かれたんです。
40年以上別居していたにも関わらず、それでも二人の愛の形があって、時代に振り回されない夫婦関係を築いた部分がカッコいいと思ったんです。
今の人って、結婚をしないとダメとか、付き合っていないとダメとか、すごく形にこだわるじゃないですか。でも僕はそういうのが間違っていると思っていて、形にこだわり過ぎる今の風潮に嫌気が差していた時に、樹木さんの夫婦関係についてニュースで知って、自分の考えは間違いじゃなかったって教えられた気がしました。
同時に、それがすごく今の時代に合っているな、とも思ったんです。たぶんこれからこうなっていくんだろうな、と。
ーーQ:女優としての樹木希林さんのことは、どのように見られていましたか?
兼近:女優としては、とにかくアドリブ力が素晴らしくて、そのアドリブのシーンを監督にそのまま使ってもらえるという愛され方がいいな、と思っています。
たとえば『万引き家族』で、松岡茉優さん演じる女の子がおばあちゃん役の樹木さんに「好き」と伝えるシーンがあるんですけど、その後に樹木さんがアドリブっぽい台詞で返して、松岡さんが素になって困っちゃってるんです。それで、変な間とかも出来ているのに、それがまたリアルで、そのまま使われているんです。
他にも、『万引き家族』は樹木さんのアドリブっぽいシーンが数多くあるんですけど、そういったシーンを監督にそのまま使ってもらえるという愛され方は素晴らしいですね。
りんたろー。:めっちゃ好きじゃん!(笑)
兼近:いや、本当に『万引き家族』はいい映画でしたね。
りんたろー。:でも、『万引き家族』はオレが観ろって言った作品でしょ?
兼近:…そうっす!
僕、映画は全然観ないので、薦められる作品を観ているんです。それで、その度にどの映画も好きになっていく、という感じですね。
りんたろー。:それに兼近は幼少の頃貧乏で、実家が『万引き家族』の家みたいな感じだったんだもんな?
『万引き家族』❝あるある❞は、なちい!
ーーQ:実家が『万引き家族』のようだった、とはどういうことでしょう?
兼近:ウチの場合は、血が繋がっているバージョンの万引き家族、といった感じでしたね。
だから僕、『万引き家族』は“あるある”映画として観てました (笑)
りんたろー。:あの映画を“あるある”で観る人っていないから!
兼近:『万引き家族』に関しては、「おぉ、なちい!この時のマインド知ってる!」みたいな感じでしたね。
りんたろー。:家も、映画に出てきたようなボロボロだったんだろ?
兼近:そうっすね。実家が北海道なんで、冬とかは家の中にゴリゴリ雪が入ってきてました。
しかもおばあちゃんがパチンコ好きで、生活費を一日でパチンコに使っちゃうんですよ。
あと、親父の感じとかも、劇中でリリー・フランキーさんが演じられていたような、まんまあの感じでした。
ただ、自分の家族に対して愛はありましたし、家族のことは今でもめちゃくちゃ好きですね。
以上、EXIT・兼近大樹さんから樹木希林さんへのラブレターでした!
次回もお楽しみに!
(文・渡部隆太/辻健一)