人気芸人の皆さんに、自らの身の周りで起こった面白かった出来事・不思議な出来事などを自由に話してもらう「ちょっと聞いてもらえませんか？～芸人小噺～」。果たして、今回はどんなエピソードが飛び出すのか!?

今回、小噺を披露するのはこの人！

 

二丁拳銃・川谷修士さん

 

 

いや、下唇食ってないねん！

川谷：最近よく人に、唇腫れてるんじゃないかって言われるんですよ。
小堀：僕、見すぎてよくわからないようになってるのかね～。
川谷：怖くなってくるんですよね。もともとたらこ唇ですけど、後輩と喋ってる時でも先輩と喋ってる時でも目が合わないのよ。なんか下見てるみたいな。
「あれ？聞いてないんちゃうか？」みたいな感じになって。案の定、話し終わった後に「あれ？修士さん、唇腫れてません？」とか「お前、唇なんや？」とか言われて。
小堀：何度か僕もその場面に遭遇したことはありますよ。
川谷：よく言われるんですよ。ミニコントじゃないですけど、「唇大丈夫ですか？」「いや、もともとこれやねん！」みたいな感じで言ったら、「いや、そんなんじゃないんですよ！」って返しをされるから怖くなってくるんですよ。「病気なんちゃうか？」って。
実際、自分も昔の写真とか見てて「あれ？大きなってんちゃうか？」と。それも下唇だけ。上唇変わってなくて、下唇だけ出てきてるというか、簡単に言うといかりや長介さんのイラストみたいになってきてて。それで、怖いなと思ってたらみんな「病院行ってきた方がええで！」とか言うのよ。「アレルギーちゃうか？」とか「リップが合ってないんちゃうか？」とか。そんなことを言ってくれるんですよ。
だから俺、皮膚科に行ったんですね。これは皮膚科やと思って。どこ行っていいかわからへんから。ネットで調べたら、内科もあるし、歯医者っていう説もあるし。でも、まあ皮膚科かなという感じで行ったら、そこの先生がね、何というかダンディーな方なんです。ちょっと江戸っ子というか、上から言ってくる人なんですよ。
「唇腫れてるかもしれないんですけど、どうですか？」って言ったらその先生が「それお前あれだよ！乾燥してんだよ！」って。でも、「なんで乾燥で腫れんねん」っていう話じゃないですか。そしたら「乾燥するだろ？すると皮がむけるよな？その皮食ってんだよ！」って。「いや、食ってるってなんすか？」と言ったら「剥いてないか？お前。お前剥いてないか？」みたいなこと言われて。また、僕も「いや、剥いてないです！」と。「奥さんにも言われてリップ塗ってるんで！」って言ったら「じゃあ食ったんだよ！」って返してきて。
いや、食ってるってなんやねん。その言い方もなんやねんと思って。「寝てるだろ？寝てるうちに食ってんだよ、皮を！で、皮が捲れるだろ？傷がつくよな！その傷から菌が入るんだ！それで腫れてんだ！」と。「いや、ほんまですか？俺、剥いてもないし食ってもないですね～！」と言っても「食ってんだよ！」の一点張り。
まあ、そこ行ったんですけど何も変わらないんで。僕、内科も行ってるんで、月一お薬貰いに。だから、内科でも聞こうと。というのも、僕、血圧の薬を飲んでるんですが、この降圧剤という薬の中の副作用に血管浮腫というのが出る恐れがあるというのが書いてあったんです。血管浮腫というのはよくわからないんですけど、皮膚が腫れる状況になると。僕が飲んでる薬に、この副作用が入ってたんです。
それで先生に、着けてたマスク外して「ちょっと唇がね、最近腫れてるんじゃないかな～？」って言ったら先生が「腫れてるね～！」と。食い気味に言われて。「ああ、やっぱ腫れてます？」と言ったら「自分でどう思うの？写真とか見て」みたいな。「いや～、ちょっと腫れてるんちゃうかな～」と。皮膚科で乾燥してると言われたことを伝えたら「あ～、乾燥も腫れる恐れありますね～」と言われて。あと、さっきの降圧剤の副作用について素人ながらネットで調べたことも言ったら、「降圧剤、出てくることもありますよ。血管浮腫ありますね。…ただね、それは唇だったり瞼だったり他の肌、皮膚とかどっかが腫れるというものなんですよ。下唇だけ腫れるってことはまずないです」と、ずっと下唇見ながら言われまして。
「ああ、そうですか」と返した後に「皮食ってんじゃねえか？」って言われたことも伝えたら、向こうはやっぱりキョトンとしていて。そしたら「それもあるかもしれませんね～」と。「いや、あんの！？」って思ったんですけど。それで「どんな薬出されました？」と聞かれて、「お薬手帳にも書いてないんでどの薬かわかりません。でもリップみたいなやつです」と。『これしか出すものがない』となって出されたのが今、目の前にあるこれです。このプロペトというのを毎日塗っています。だから今テカテカなんです。
小堀：確かに発情期のメスのお尻みたいになってる。
川谷：誰が発情期のメスのお尻や！



 

以上、２丁拳銃・川谷修士さんの「ちょっと聞いてもらえませんか？～芸人小噺～」でした！
次回もお楽しみに！
 

(文・渡部隆太／辻健一)