現場がピリつくカメラマン
人気芸人の皆さんに、自らの身の周りで起こった面白かった出来事・不思議な出来事などを自由に話してもらう「ちょっと聞いてもらえませんか?~芸人小噺~」。果たして、今回はどんなエピソードが飛び出すのか!?
今回、小噺を披露するのはこの人!
ニューヨーク・屋敷裕政さん
勘わりぃなあ、チッ!
屋敷:ただただ久しぶりやな~という感覚を体験した話なんですけど、以前、特番の収録をしたんです。フジテレビさんで放送するコント番組で、それがほぼ映画みたいな撮り方だったんですね。場所は、普段映画やドラマの撮影で貸し出している工場で、刑事役として拳銃を撃ったりする設定のコントで色々なダジャレを散りばめていくといった内容だったんです。それで、夜の19時から23時まで撮影をしていました。
嶋佐:めちゃめちゃ力の入った撮影だったよね。だって、スタッフさんの数もすごかったもん。映画のようなカメラで、「ほんとにあった怖い話」の映画撮影よりもスゴいくらいだった(笑)。
屋敷:「ほん怖」よりカメラ多かったよな!それで、寒い中ずっと外でやっていたら、カメラマンのおじさんたちもちょっとピリつき出したんです(笑)。
嶋佐:映画やドラマをずっと撮ってきたような熟練の方たちだったよね。
屋敷:バラエティーのカメラマンの方ってあまり演者の前でピリつかせることを言わないじゃないですか。そこのカメラマンさんたちは「早くしろ、そこ全部見えてるぞ」みたいにスタッフさんに注意をしていて…。それが2~3分に一回入るんですよ?「分かんねえ奴だな!早くしろ!」みたいなことを怒鳴るかと思いきや、俺らには「寒くないですか?」みたいな腰の低い感じだったんです(笑)。
嶋佐:ベテランの方たちは皆そんな感じなんじゃないの?
屋敷:その感じ、辞めてほしいなと思っただけというエピソードなんやけどね(笑)。今やどのバラエティーでもディレクターさんが「なにやってんだお前」みたいにADとかに注意するのって、もうおらんやん?
嶋佐:でも、そうなってきたのは最近な気がするな。4~5年前はまだちょっとあった気がするもん!
屋敷:その時もそういう風潮が終わりかけの時期だったと思うけど、今は完全にないもんね。だって、ADさんが現場でニコニコしてるもん。昔みたいに、死んだような顔してやってないやん。でもまだ、“キャメラマン”の世界にはおったな。「見切れてるよ!」と怒鳴りつけていたから!
嶋佐:「あー!もうマイクロバス何で入ってくるんだよ。勘わりぃなあ、チッ!」みたいなね(笑)。
屋敷:もっと言ったら俺らが演技しているときも、フレームに虫かなんか入ってきたか知らんけど、「チッ!なんだこれ」といって演技中にも何か喋っていたよね。
嶋佐:それぐらい仕事に一直線で職人だってことだわな。
屋敷:うん、久しぶりにこれぞ“職人”ってのを感じたわ。
以上、ニューヨーク・屋敷裕政さんの「ちょっと聞いてもらえませんか?~芸人小噺~」でした!
次回もお楽しみに!
(文・瀧澤光春/辻健一)
動画1分あたりのデータ量目安は最大3.6MBです
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