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N・S・Y・A~ナルミーシーより愛を込めて~(1/5)

「おっ! おめぇら、無事だったか!」

「あ、天十郎くん」

「ちょちょーっとヤバかったけど、おかげさまでこのとおり。ンフッ」

夜の桜道を走り抜け、女の子たちの集団からなんとか逃げおおせたアラタと真奈美は、観覧車の前でA4メンバーと合流した。

「災難だったな」

「……ん~? そうでもないみたいですぞ~?」

同情的な千聖とは裏腹に、八雲はニヤニヤしながらアラタたちを見る。

「なんだ八雲、どういう意味でぃ……って、あーっ!?」

「……なるほどな」

続いて天十郎、千聖の視線も、八雲と同じ場所に注がれた。

アラタは真奈美と、しっかり手を繋ぎ合っていたのだ。

「あっ!」

走って逃げる途中で、アラタが真奈美の手を引くようにして繋ぎ合ったのだが、どうやら真奈美は無意識だったらしい。今そのことに気づいたとばかり、驚きの声をあげる。

「ティンカーちゃんの手、F・M・N・S、ふわふわマシュマロみたいで握り心地最高だったよん」

「ちょ、ちょっと、アラタくん……」

「なんだいハニー? ここがオレたちの愛の逃避行の終着点♪」

慌てて手を離そうとする真奈美に、そうはさせまいとアラタはさらにぎゅっと手を握り込む。

「せんせ~、ここに不純な行為をしている人がいま~す」

「ノンノン、やっくん。オレとティンカーちゃんの愛は純度100%、混じりけなしのちょちょちょー純愛……グフッ」

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