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年始はプロレス!新日本「WRESTLE KINGDOM 13」東京ドーム大会大特集

子供の頃の夢は〇屋!? 腕時計が●万円?! オリンピック級の身体能力!“プロレス界を牽引する男”、まるわかりオカダ・カズチカ!

当日は、ジェイ・ホワイトと一騎打ち!

 昨冬、大ヒットしたテレビドラマの1つとして、「陸王」(TBS)が挙げられるだろう。天才型ランナーの毛塚の背中を追う、努力型ランナーの茂木を、主人公の老舗足袋業者がサポートする話だが、こちらの原作本を愛読書とするのが、新日本プロレスのオカダ・カズチカだ。

 同書の話自体の面白さ、登場キャラクターの濃さが気に入ったとするオカダだが、こんな発言も。「(伸び悩むランナー、茂木に比べて、)僕自身は……天才的なセンスのお陰で苦労はないです!毛塚側の人間なので!」(『ダ・ヴィンチ』2017年5月号より)。さらに「(スター選手である)毛塚の記事ばかりが大きく出るという描写がありましたけど、『わかる、わかる』と(笑)。僕が試合で負けても、勝った選手の記事ではなくて『オカダ、負けた』という記事になる。そうか、自分はそこまでの存在なんだな、と」(同書より)。

 開催まで、いよいよ2週間となった、新日本プロレスの2018年1月4日の東京ドーム大会。こんな自信満々というか、自信過剰にも見えるオカダ・カズチカ選手を大特集!彼のどこがそれほどまでにスターであり、そして、なぜそうなり得たのか、解明したい。

先ずは入場時に注目!

 1987年11月生まれの、現在31歳。191cmの長身に甘いマスク。2012年の、まさに1月4日の東京ドーム大会に計2年間のアメリカ修行から凱旋帰国し、約1ヶ月後には棚橋から団体の至宝、IWGPヘビー級王座を奪取。24歳3ヶ月での同王座戴冠は、中邑真輔に次ぐ、史上2番目の年少記録であり、ここから一気に頭角を現した。

 つまり、棚橋を、特に2006年以降の新日本復興の立役者とするなら、オカダは2012年以降の新日本の金看板と言って良いだろう。事実、棚橋も、「新日本が良くなり始めた(=女性、子供人気が出て来た)時に、オカダが凱旋帰国して来て、(新規のファンを)全部持って行かれた」と、冗談めかしてよく語っている。

 金看板としたのは他でもない。彼自身が自らを、金の雨を降らせる男、“レインメーカー”と称しているから。実際、凱旋帰国後のオカダがブレイクしてから、新日本プロレスの業績もうなぎ上り。昨年1月4日の東京ドーム大会に比べ、今年の同日大会は、チケットの売上が180%アップ。よって、身に付ける時計はカルティエのサントス、お値段にして約50万円。愛車は、フェラーリ480GT。そんな彼を特徴づけるかのように、入場シーンでは、札が乱れ飛ぶ。ファンにはよく知られる、レインメーカードルという非売品のグッズなのだが、その額面は、ここ数年、なるほど、金を生む男らしく、1枚100,000(オカダ)ドル。ところがである。筆者は、こちらが一番最初に飛んだ際のバージョンを持っているのだが(2012年3月4日・後楽園ホール)、今、その額面を改めて見ると、「100(オカダ)ドル」であった。新日本プロレス側も、ここまで彼がブレイクするとは思えず、最初から高額設定にするのははばかられた!? 因みに、翌年には額面は、「10,000(オカダ)ドルに。インフレの凄さすら生む、オカダの成長の早さである。

 なお、このレインメーカードル、財布に入れておくと、「『パチンコに負ける』とか、良くない話ばかり入って来るので、財布には入れない方がいいですよ」(オカダ)とのことで、自分自身から金の雨を降らせる効果があるようだ。とはいえ、毎回、ドーム大会ではデザインや色違いの札が飛ぶので、貴重なことには変わりない。当日の大会で拾ったら、ぜひ懐(ふところ)以外の場所に保管しておきたい。

意外とジンクス好きな素顔

 さて、オカダの選手としての凄さに迫りたい。何より特筆すべきは、その身体能力。打点が高く美しいドロップキックは、テレビ朝日の人気バラエティー「アメトーク」のプロレス特集でも話題になっていたほど。東京ドーム大会当日は、オカダの試合(第7試合)までに他の選手も同技を披露するだろうだけに、その違いにぜひ注目して欲しい。他の選手が飛ぶとほぼ同時に足を当てるのと違い、オカダは飛んでから空中でタメを作り、そこから蹴るのである。これは彼が意図的におこなっていることで、その跳躍力と全身のバネを如実に物語るものとなっている。この1発を観るだけでも、彼の試合にお金を払う価値がある。

 何せ、陸上部に属した中学生時代、100m走で出身の愛知県大会1位に。その素質から、入学金どころか授業料まで免除という条件での進学話が来た俊才なのだった。試しに、24歳時の2012年7月、50m走のタイムを測ってみると、5秒94。日本記録は5秒75。しかも、この時のオカダは、当たり前だが陸上用のスパイク着用ではなく、スターティングブロックも使っていなかった。これらを使っていれば日本記録も更新したかもと、同行した足立光トレーナーは語っていた。大袈裟でなく、オカダは、日本一を、そして、世界、つまりはオリンピックも狙えたほどのアスリートなのである。

 そのオカダに以前インタビューした時、定番の質問として、「休日は何をしてますか?」と問うと、「プロレスの動画やDVDを観てます」と言っていた。常連ファン向けの視座になるが、この研究熱心さは、よく試合に表れており、相手の大技を食らうと、次の試合では、それを絶妙のタイミングで切り返していたりしている。

 結果、今年で、『プロレス大賞』の『年間最高試合賞』を、なんと5年連続で受賞。その試合レベルの高さは保証済みである。

 反面、先週の棚橋や、“スイーツ真壁”として知られる真壁刀義に比べ、一般への露出は少ないが、オカダ自身、こう語っている。「棚橋さんや真壁さんには、入口になってもらって、実際会場に来た人を満足させるのが、僕の役目」ふてぶてしさすら感じる言葉だが、どうしてどうして、彼自身、プロ野球の始球式に登場したり、あの世界的写真家、篠山紀信さんの被写体となったり、個人の写真集を発売するなど、人気は高い。さて、その内容を見てみると……花屋に扮したり、子供たちと遊んだりと、試合の写真、一切なし!(主婦と生活社「オカダ・カズチカ~I'm O.K.!」)そう、これはどう考えても、女性ファン向け写真集。事実、2012年から2014年までの3年間は、オカダの契約条項に、「結婚は禁止」とあったほどなのだ。

 なお、花屋は、オカダが子供の頃、なりたかった職業。そう言えば、それこそ東京ドーム大会などのビッグマッチ前には、「牛丼を食べないと落ち着かない」「当日のパンツは必ずピンク」「試合前、化粧水を必ずつけるんですが、2014年の(1月4日の)東京ドーム大会の時には忘れちゃって。フロントの人に急いで買って来て貰った」と、意外とジンクスを気にする側面も。こんなところも、母性本能をくすぐるのかも!?

 なお、結婚禁止の条項が外れた2015年からは、2度、表立った交際が報じられており、1人はテレビ朝日の森葉子アナ、もう1人は声優の三森すずこさん。未だ独身のオカダだが、さてさて、春はいつ訪れるか、こちらも楽しみにしたい。

31歳にして、大ベテラン!

 ところで、かくいうオカダの最終学歴は中学卒業までだったりする。授業料免除での進学の話を先述したばかりだが、なぜこうなったのか。

 実は中学卒業後、プロレスラーになるため、その養成機関『闘龍門』に入門していたのだった。中学での学業の成績もトップクラスだったのは有名な話で、それでも、プロになるなら早い方が良い、と、進学しなかったのだった。誘われていた高校に、アマレス部が無かったことも一因だった。プロレスを好きになったのは中学時代だが、そこから一直線の道だった。

 15歳時にプロレスの世界にとびこみ、デビューは2004年8月の16歳時にメキシコで。そこから3年間、主にメキシコで戦い、2007年に新日本入りするわけだが、つまり、24歳でのIWGP王座奪取時には、既に8年以上のキャリアを要していたことになる。オカダを語る際、「超新星」や「ニューヒーロー」という捉え方をされることが多いが、実は既に相当のキャリアを積んでいたことは付記しておきたい。しかも、メキシコとアメリカでの修行経験があり、これは現在の新日本のレスラーにおいては、稀有なキャリア。この幅の広さも彼が好試合を生める要因となっている。

 既にIWGPヘビー級王座には4度就いているだけに、ここ3年は、トップとしての気構えも出て来た。2015年11月に、天龍源一郎の引退試合を務めた際は、「むしろ、昔のファンに、僕を印象付けたい。今のプロレスも凄いんだぞ、と」と事前にアピール。天龍によるグーパンチや顔面蹴りを被弾し、顔にはミミズ腫れが2本出来たが、後にオカダ自身が語るには、「今のプロレスラーも、避けずに受けられるんだぞ、その上で凄い攻めが出来るんだぞ、と見せたかった」。それは、ともすれば、昭和のプロレスに比べ、時に「軽い」「殺気や重みがない」などと一部で揶揄されることもある21世紀のプロレスを牽引する者としての矜持であり、体を張ったアンサーでもあった。加えて、フェラーリに乗る理由をこう語る。

「むしろ、子供たちに見せたいんです。プロレスラーになれば、こんなカッコいい車に乗れるぞって。夢のある商売だと知って欲しい。そのために僕はまだまだ金の雨を降らせますよ」

 棚橋が新日本プロレスを救った男なら、オカダは、これからのプロレス界全体を先導する存在と言って差支えない。熱視線を向けるのは、今からでも遅くないはずだ。

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