幸せと癒しのフォーチュンレッスン

第84回
寂光院

こんにちは。フォーチュン・カウンセラーのレイリィアスです。
今回は京都市の大原にある「寂光院(じゃっこういん)」です。
寂光院は天台宗の尼寺で、開基は聖徳太子と伝わっていて、平家物語にも縁の深いお寺です。寂光院の最初の住職は、聖徳太子の乳母だった玉照(たまてるひめ)という説が伝わっているそうです。

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拝観の受付をして石階段を登っていきます。拝観受付所では写経の申し込みや御朱印の授与も行っています。はじめに御朱印帳を預けて、帰りに受け取る方式なので、帰りに忘れないように。寂光院は桜や新緑、紅葉の季節がとても人気とのこと。新緑のこの日はより一層木々の生命力がとても美しく感じられました。

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寂光院の山門。とても厳かですね。
寂光院は、平清盛の娘であり、安徳天皇(あんとくてんのう)の母である建礼門院(けんれいもんいん)/(平徳子)が、隠棲した場所でも知られています。安徳天皇は平家滅亡に至る「檀ノ浦の戦い」の際、平家に擁され、壇ノ浦で入水し8歳の幼さで亡くなりました。建礼門院も入水を試みますが、源氏に助けられ、その後、都に戻されて出家しました。そしてここ寂光院に移り住み、滅亡した平家一門と、幼かった自身の子である安徳天皇の菩提を弔い、冥福を祈り続けたそうです。
悲劇的な運命に翻弄される人生を生きた建礼門院は、この都から遠く離れた寂光院で、どんな想いで毎日祈りを捧げていたことでしょうか。考えるととても胸が痛くなります。


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寂光院の本尊は「地蔵菩薩像(じぞうぼさつぞう)」です。
実は寂光院の本堂は、2000年5月9日の深夜の放火火災により本堂が焼失してしまい、重要文化財の地蔵菩薩立像を始め、建礼門院坐像などの木像は激しく焼損してしまうことになりました。その後2005年に焼損前のものを基に忠実に再建されたのが現在の本堂になります。
焼けた木像などの数々が宝物殿に陳列されていましたが、本当に痛々しいお姿になっていました・・。放火は悲しみしか生み出しません・・・。


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本堂の正面には「諸行無常の鐘」という梵鐘が懸かっています。
平家物語の冒頭の一節「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり~」・・ですね。


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「汀(みぎわ)の桜」
平家物語の最後に建礼門院を訪ねて後白河法皇がやってくる場面が描かれています。法皇が目にしたのは散った花びらが池を飾っていた「青葉が交じった遅桜」。
このとき法皇は「池水に 汀の桜散り敷きて 波の花こそ盛なりけれ」と和歌を詠みました。


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本堂の北奥に女院が隠棲していたと伝えられている庵跡があります。現在は石碑が立つのみではありますが、御庵室跡の右手奥に女院が使用したという井戸が残っています。


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また、寂光院は大原の名産品「しば漬」の発祥の寺としても知られています。名産ということでお寺の近辺の畑には赤紫蘇などが栽培されていました。


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大原ではかつて、女性行商を「大原女(おはらめ)」と呼んでいました。
建礼門院に仕えた阿波内侍(あわのないし)などの侍女が着ていた衣装が、「大原女装束」のルーツとされているそうです。今でも「大原女まつり」などでその姿を見ることができます。


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かわいい大原女の萌えキャラグッズも売っていましたよ。


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寂光院で授与されている「地蔵菩薩」の御朱印です。
寂光院では、とても静寂で悠久の時間の流れを感じることができました。
2022年に放送された「平家物語」のアニメを観て予習していくと、より深みが増しますよ。
寂光院は季節を感じながらゆっくりと巡ってみたい場所です。ありがとうございます。
次回は「熱田神宮」です。
お楽しみに。
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