こんにちは。フォーチュン・カウンセラーのレイリィアスです。
今回は京都の「二条城（にじょうじょう）」です。
正式名称は「元離宮二条城（もとりきゅうにじょうじょう）」で、1994年にユネスコ世界遺産に「古都京都の文化財」として登録されました。歴史を感じられる優美な御殿に、趣の異なる3つの庭園や絢爛豪華な障壁画などが見どころです。
京都は天皇（朝廷）がいるため日本の中心だったわけですが、徳川家康は江戸を本拠地としていたので、京都での拠点となるお城が必要になり、1603年に「二条城」が築かれました。
二条城は徳川家康が征夷大将軍に任命された際、重臣や公家衆などを招いて盛大に祝賀の儀を行った場所でもあり、徳川幕府の終わりを告げる大政奉還も二条城で行われました。
まさに江戸時代の幕開けから絶頂期、そして終焉を見届けたのが、ここ二条城だったわけです。




二条城の正門にあるのが重要文化財の「東大手門」です。
現存の門は1662年頃の建築と考えられています。築城当時は現在のように二階建ての櫓門でしたが、寛永の時代には天皇を2階から見下ろさないようにとの配慮から、一重の門に建て替えられたと言われています。




重要文化財の「唐門」。
門には龍や虎といった霊獣に加え、鶴・亀・松竹梅といった長寿や吉祥を象徴するモチーフや聖域を守護する「唐獅子」などの豪華絢爛な彫刻が飾られています。
現在の唐門は2013年に修復工事が完了し、檜皮葺の張替え、金箔の貼りなおし、漆塗り替え、彫刻の彩色など全面的な修復により、当時の美しい輝きを取り戻しました。
この豪華な門を見ると日光東照宮を思い出してしまいます。
二条城の現在の正式名称は「元離宮二条城」。明治維新後は徳川家から皇室所有になり「二条離宮」と名を変えた時代があり、その後旧宮内省から現在は京都市の所有となっています。
そのため、修復の際、菊の御紋をはがしたところ、下からは徳川の葵の御紋が出てきたのだそうです。いくつかは葵の御紋もあるそうなので、見つけてみると楽しいですね。




政務の場であり城主の住居でもある国宝の「二の丸御殿」。
遠侍、式台、大広間、蘇鉄の間、黒書院、白書院などの全6棟の御殿群が残る二条城の二の丸御殿は、非常に貴重な建物です。




部屋数33室、800畳余りもある御殿の内部は、代表的な「松鷹図」をはじめ、将軍の威厳を示す虎や豹、桜や四季折々の花を描いた狩野派の障壁画(模写画)で装飾されていて、色彩豊かな欄間彫刻や天井画など、贅を尽くした内装が広がっています。現在は、作品保護のためレプリカがはめられていますが、「二条城障壁画 展示収蔵館」で原画を見ることができるそうです。
城の中で住まいの部分であるこの「御殿」が現存するのは日本でたったの4つで、高知城、掛川城、川越城、二条城のみだそうです。その中でも唯一国宝の指定を受けているのが二条城なのです。とても貴重ですね。
とはいえ、部屋が33室は羨ましい反面、お掃除が大変そう・・（笑）。




当時の皇族の住居建築を知る貴重な重要文化財の「本丸御殿」。
城の中心部、内堀に守られた広さ20,000平方メートルの本丸に建ち、現存するのは明治時代に京都御所にあった宮家の御殿を移築した4棟です。
御殿の南側には、明治天皇のために造営された芝庭風築山式の美しい「本丸庭園」が広がっています。




京都の豪商である角倉家の屋敷跡から建築部材、庭石、樹木を譲り受け、1965年に作庭した「清流園」。御殿のどこから見ても美しいように配置された庭園です。すてきですね。




「天守閣跡」。
本丸の南西隅には、かつて五重六階の天守閣がありましたが、1750年に落雷により焼失しました。 その後は再建されることなく、現在は石垣だけが残されています。
上に昇ると本丸御殿や本丸庭園、京都の街の景色を見渡すことができます。
二条城には過去2つの天守が建てられていて、最初の天守は家康が、2代目天守は家光が築きました。家光の天守の高さは28mあり、当時では京都随一の高層建築物でした。京都を一望できる素晴らしい眺めだったのでしょうね。




重要文化財建造物「二の丸土蔵（米蔵）」。
全国の城郭で土蔵が残るのは二条城だけで、内部は非公開。城内には3棟の土蔵が残っています。中にはいったいどんなお宝が入っていたのでしょう・・・。




1915年に大正天皇が即位すると、皇室関係者、各国の要人や総理大臣が招かれ、即位を祝う宴会が二条城で開催されました。そのときに南門や二の丸御殿の付属施設が増築されています。
昭和になると二条城は「元離宮二条城」として一般公開が始まりました。
1982年には二の丸御殿の障壁画約3600面のうち1016面が重要文化財に指定されました。




世界遺産の二条城では入場記念符をいただくことができます。
二条城は徳川幕府の始まりから終わりまでを感じられる素晴らしい歴史スポットでした。
これからも大切に守っていきたいですね。
ありがとうございます。
次回は「韓国旅行」です。
お楽しみに。