【俺の二度見映画】ゴジラ超えの大興奮映画
人生の節目に観る作品や、何度も勇気をもらってきた作品を紹介する「俺の二度見映画」。
1度では味わい尽くせない。語りだしたら止まらない。人気芸人が自身を作った生涯のベスト作品を熱量高めに語り尽くす!
今回、二度見映画を紹介するのはこのコンビ!
かまいたち・山内健司
山内さんがオススメする作品はこちら!
『アルゴ』(2012年)
1979年に発生し、18年間機密扱いにされていたイランアメリカ大使館人質事件の新相を映画化。CIAは、人質を映画クルーに仕立てて出国させようとするが……。
監督・主演は、「ザ・タウン」のベン・アフレック。共演は、「リトル・ミス・サンシャイン」のアラン・アーキン、「アーティスト」のジョン・グッドマン。
名作のタイトルは3文字!?
Q:『アルゴ』を好きになったきっかけは何ですか?
山内:人に勧められて観たのがきっかけです。
僕、本当はド派手系のSF映画が好きなんです。たとえば洋画の『GODZILLA ゴジラ(1998年)』や『アナコンダ』といった、巨大生物などが出る映画ばかりを観ているので、リアリティのある映画というのはずっと観る気がしなかったんです。
この『アルゴ』も、実話を基にした映画なので、はじめは全然期待せずに観たんですよ。でも観て驚きました。映画でよくある最後の20分でハラハラドキドキするというのとは違い、『アルゴ』は最初の20分過ぎたらそこからラストまで、ずっとドキドキしっぱなしだったんです。
この作品は、ベン・アフレックが監督・主演をしているんですけど、カット割から場面転換、構成、すべてにおいて素晴らしく、震えました。それ以降、何回も観ています。
だから、人から映画のオススメを聞かれたらこの『アルゴ』と、洋画の『ゴジラ』、『レッド』を勧めています。とにかく3文字のタイトルが好きなんですよね(笑)。
濱家:でも、『トトロ』観てへんやん!
山内:そうなんですよ。僕『となりのトトロ』は観たことがないんです。
というのも、二十歳くらいのときに、『となりのトトロ』を観ていないな、ということに気づいて、周りの人に観たことがあるかを聞いたら全員観ていたんですよ。そうなったら、「観てないって逆にすごいんちゃうの?」と思っていまだに観ていません。これはもう、財産なんです。
他にも、『風の谷のナウシカ』、『天空の城ラピュタ』、『蛍の墓』も一切観てないです。でも、『千と千尋の神隠し』と『紅の豚』は観ているんですけどね(笑)。
濱家:なんにも財産ならんで。観たほうがええって。
山内:いや、多くの人から支持されている作品をここまで奇跡的に観ずにすり抜けてきたから、今後も観んとこうって思います。
濱家:壮大に言うなよ。ジブリ作品を全部観てないとかだったらまだ分かるけど、たまたま観てないだけやん。
Q:『アルゴ』のオススメのシーンはどこですか?
山内:イラン大使館のアメリカ職員がイランに取り残されて、見つかったら処刑されてしまうという状況で、カナダ大使館に隠れさせてもらっているというシーンがあるんですよ。カナダ大使館の人のはからい、粋な部分ですね。というのも、カナダ大使館の人も匿っているのがバレたら殺されてしまうという状況なのに、仲のいいアメリカのために匿ってあげているという…‥あ、そこじゃないな。
濱家:なんやねん! なっがいこと喋ったのに。めんどくせー。
山内:映画が実話なので、エンドロールでモデルになった人と演じていた人の顔が対になって出てくるんですけど、これがめちゃくちゃ似ているんです!
濱家:さっき言ってた見所と全然ちゃうやん!エンドロールやし。
山内:でも、それを観たときに「ホンマに実話なんやな」っていう実感が、より増しましたね。
『アルゴ』が良かったので、実話を元にした他の映画も観てみようと思い、ビン・ラディン暗殺を描いた『ゼロ・ダーク・サーティ』という作品も観たんですけど、それはあまり好きじゃなかったです。だから、たまたま『アルゴ』が群を抜いていただけなんだと思い、それ以降観る映画は元々好きだった巨大な蛇とか空想の生き物が出るSF映画に戻りましたね(笑)。
Q:この作品を、どんな人に勧めたいですか?
山内:僕と同じで、ド派手なSFとか、『アナコンダ』みたいな映画ばかりを観ている人に勧めたいですね。
『アナコンダ』って、巨大蛇アナコンダの大きさとか、口の開き具合とか映像の迫力が見せ場なので、そうじゃない見せ場のある映画も知ってほしいですね。現実的なストーリーでワクワクさせてくれる、おもろい映画もあんねんでっていうことを伝えたいです。
以上、かまいたち・山内健司さんの俺の二度見映画でした!
次回もお楽しみに!
(文・渡部隆太/辻健一)