坂本：最近、コロナ禍になって起きた事件といいますか、よりひどくなったことなんですけど…。
僕ら3人の中に1人、メガネかけてるおかっぱ頭の宮戸くんっていうチームメイトがいるんですね。
宮戸：チームメイトからでよかったやん！
坂本：彼の必殺技は“劇場レベルのMC”なんですよ。
僕ら3人でMCさせてもらうこともあるんですが、宮戸単品ってこともあるんです。宮戸だけが舞台上MCで、僕とか福井とかも一緒の劇場出番に入ってるけど、プレイヤーとして後で呼び込まれるみたいな形が結構多くて…。
オープニングで曲が流れて、「ど～も～！」って宮戸1人でお客さんの前に出て行くんですが、僕の感覚からしたら16年トリオでやってて、1人で舞台出て行くのって、やっぱり頭おかしくないとできないことなんです。
宮戸：そんな言い方せんでも…。
坂本：でも、全然余裕で行くんです。そして、軽くお客さんの空気を読みながら、5分くらい1人舞台上で喋るんですよ。で、その時の感じがウケるエピソードとかじゃなく、なんかお客さんを満足させるような独特なテクニックを使うんです。
例えば「さっき楽屋でね、ウチの坂本くんがガリガリなんですけど、おにぎり一口食べてお腹いっぱいになってましたよ～！ハハハハハ～！いや～、それでは今日のイベントなんですけど…」みたいな。
福井：小噺やな。
坂本：そう、小噺みたいなものをして入るんですね。お客さんも面白かった面白くなかったじゃなく、いい感じになってイベントが始まるんです。
福井：食前酒的な感じですよね。
坂本：あれってすごいテクニックだなと思ってずっと見てたんですけど、このコロナ禍になって配信っていうのが始まったじゃないですか。その配信の中でも無観客配信っていうのが始まったんですよ。
その時でも宮戸さんはね「ど～も～！」って出て行くんです。お客さん誰もいないのに…。それなのにいつも通り「いや～、さっきウチの福井君が出番前やからかな～、ヒゲ手入れしてましたよ～！ハハハハハ！え～、それでは今日のイベントは…」って…。もう、行きつくとこまで行ったなと！MCの境地に達した宮戸。これぞコロナ禍が生んだバケモンやなと、最近思ってるんです。
宮戸：やるやん！お仕事だからやるやん！
福井：お客さんいないからつかむ必要がないのに、自分が今まで16年くらいやってきたクセみたいなもので、とりあえずつかみにいくという…。言うなれば、UFOキャッチャーに商品入れてない状態でも、つかんでやってるということですよね。
宮戸：画面の向こうに見てる人はおるから…。
坂本：袖から見てる俺らからしたら「誰に喋ってんの！？」って思ってます。