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年末の注目大会を大特集

3年で1勝のあのエース!気になるEVILの動向……。新日本『WORLD TAG LEAGUE』特集!

今年は全16チームが総当たり!

 それこそ25年ほど前、つまりは1994年頃のことだが、テレビでクイズ番組を見ていると、こんな問題が出て来た。

「日本アマレス協会が、人気や注目度アップのために、新たに取り入れた試合形式はなんでしょう?」

 答えは『タッグマッチ』。こちらの試合の模様も流れていたが、当然のことながら選手の途中交代が可能なため、膠着状態が少なく、大変スピーディーかつスリリングな攻防が展開されていたのを覚えている。まさにタッグの魅力ここにありと言った感じであった。

 そしてこの年末となれば、まさにプロレス界はタッグリーグの季節。わけても11月16日(土)から開幕した新日本プロレスの『WORLD TAG LEAGUE』戦は、今年は参加全16チームの総当たりという、大規模なスケールでおこなわれる。

現在はSANADA&EVILが2連覇中だが……。

 プロレス界でタッグリーグ戦というと、1977年の『世界オープン・タッグ選手権』に端を発し、現在も続く『世界最強タッグリーグ戦』(全日本プロレス)が老舗中の老舗。対して新日本プロレスは、古くは『MSGタッグリーグ戦』『IWGPタッグリーグ戦』『SGタッグリーグ戦』等があったものの、連年の開催が途切れた時期があり、どうしても看板としては全日本の後塵を拝していた印象があった。これを鑑み、「新日本はシングル中心の戦い模様だから」と評する向きもあったが、2006年の「第5回G1 TAG LEAGUE」戦よりは、毎年タッグリーグ戦が開催。ブシロードに母体が移り、『WORLD TAG LEAGUE』戦と改称されてからは、すっかり年末の風物詩となっている。

 特に近年の特徴は、その大会名に偽りなく、各外国人選手の参加が多いこと。後楽園ホール大会のメインが外国人勢同士の公式戦だったこともあり(2017年11月30日・ハンソン&レイモンド・ロウvsランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr.)、ファンにも認知を得ていると言って良いだろう。

 ただ、優勝チームは翌年1月の東京ドーム大会でIWGPタッグ王座に挑戦という流れが半ば定式化しており、よって2017年より、(シリーズ開幕前に)東京ドームでのカードが決定している選手については不参加に。これを指して内藤が、「史上最低の大会」と、同リーグを腐したが、これに対し「史上最高の大会にしてやる」と公然と噛みついたのが同門のEVIL。実際、同年(2017年)、SANADAと優勝を果たしており、昨年も優勝し、二連覇を達成。海外メディアによれば、ロスインゴ離脱の噂もあるEVIL。三連覇への期待とともに、先ずはこちらの動向にも注目がかかろう。

なるか、棚橋の捲土重来。

 さて、大会の魅力となれば、やはり各コンビ結成で見えるチームとしての親睦ぶり。第1回より5回まで参戦して来たオカダ&YOSHI-HASHIは2人そろってレインメーカーポーズを見せたり、矢野、桜庭組(2014、15年参加)は、矢野の掌返しのポーズを肩を組んで披露。また、中邑がWWEに行くまでは全大会に出場していた中邑、石井組は、「石井智宏の裏の裏まで知ってるよ」(中邑)、「俺も知ってるよ。優勝確信したよ。なあ、真ちゃん」(石井)と、試合後のコメントで知る人ぞ知る仲の良さを披露。中邑に煽られて石井が「俺と真輔で優勝してやる!」と珍しくマイクを持つこともあった(2012年11月24日)

 その点、万年パートナー不在とされるのが、確かにシングルプレーヤーの印象が強い棚橋弘至(今まで優勝戦への絡みもなし)。1回目と2回目はキャプテン・ニュージャパンと組んだが、暗雲を予期するからのように、「キャプテン、ウサギとカメって知ってるか?俺はウサギだ!」(棚橋)「すると、私はカメか!?」(2012年11月24日)とやりとり。なんとタッグとしての初勝利は2年目の最終公式戦だった(つまり、2年で1勝)。「100年で一回の勝利でも嬉しい!」と棚橋はしていたが……。

 3回目はヨシタツとチーム『THE WORLD』を組み、初戦の入場時には2人でピースサインを合わせ、『W』マークも作っていたが、ヨシタツは折からの首の負傷もあり、この初戦のみで、あとは全戦欠場。チームとしても不戦敗に。初戦にも勝利しなかったので、棚橋はこれで同大会、初回から3年連続参加で、僅か1勝となった。4年目はマイケル・エルガンとタッグを結成。エルガンのために自前のTシャツを用意するが、前日会見にエルガンはフライトの都合で現れず……。

 とはいえ、生来の優しさを忘れないのが棚橋の良いところ。キャプテンのタッグでは、入場時、同じマスク姿で登場。しかも2年目は試合もマスク姿で臨み、ヨシタツの欠場以降、しばらくはヨシタツと同じ髪型である、ポニーテールを解こうとはしなかった。そして、エルガン欠席の前日会見における全チームの記念撮影では、マタドールのようにエルガンが着るはずだったTシャツを横に掲げた。

 迎えたエルガンとの公式戦初戦で初勝利した棚橋は、嬉しさ爆発。マイクで「会場の皆さん!」と言うとエルガンにマイクを譲渡。エルガンが「アイシテマ~ス!」と締めていた。

同門対決も魅力の一つ。

 さて、タッグとしては、その連係技も大きな魅力。2015、16年と2連覇し、今年も参加する真壁&本間が合体技『こけしインパクト』(真壁が肩車した相手に本間がコーナーからこけしでアタック)を初披露したのは、まさに2015年の同大会。前出の棚橋&エルガンは、リフトアップした棚橋をエルガンが相手に投げつける『ハイフライフロー・フロム・エルガン』や、肩車した棚橋を、エルガンが反動をつけて相手に叩きつける『ハイフライフロー・フロム・エルガン・パート2』も公開。タッグの面白さを十分に見せてくれていた。他、こちらも今年も参加する中西&永田には、永田の延髄斬りプラス、中西の上からドンの合体技『ゴールドイースト』が。効果のほどはさておき、あまり見られないだけに、注視して今年も待ちたい。

 リーグ戦だけに、同門対決が見られることも、魅力の大きな一つ。2012年には、オカダと中邑が『G1 CLIMAX』以来の遭遇。中邑がレインメーカーポーズで挑発する場面も。試合は中邑&石井が勝利したが、オカダの試合後コメント第一声は、「やっぱりCHAOS最高」だった。また、2014年の、みのる&飯塚vsランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスの鈴木軍対決では、試合後、4人そろっての記念撮影会を開始。鈴木軍らしい絆と奔放ぶりだった。また、2018年の同じく鈴木軍同門対決、みのる&飯塚vsザック・セイバーJr.&タイチでは、後年はラフ一辺倒だった飯塚が、ザックに珍しくかつての殺し技、スリーパーホールドを披露。盟友、並びにザックが業師だったゆえの仕掛けだったかも知れないが、飯塚は翌年2月に引退してしまっただけに、非常に貴重な一瞬であった。

唯一の全大会参加チームは?

 そして、このタッグリーグ戦に唯一、全大会参加しているのが、天山&小島のテンコジ・タッグ。優勝こそないのだが、マスコミの扱いは常に大きく、これにはキャリアと記者たちの思い入れ、そして2人の魅力が寄与していると思われる。前シリーズの両国国技館大会で同士討ちをし、険悪なまま参加した2014には、いざ大会が始まると、「コジ、両国の話だけど、俺としたことが熱くなってな。よく考えたら俺がしっかり(相手を)持ってへんかった」(天山)、「やっと気づいてくれましたか!」(小島)とあっさり(もう何度目かすらわからないほどの)仲直り。「いつでも仲良く、仲悪く出来る。それは俺たちだけの特権」と、小島が達観した様子で締めていた。

 ただ、その2014年と翌15年の大会では、意外な横やりが。マット・ターバン&マイケル・ベネットのセコンドの美女、マリア・ケネリスに天山が惑わされる事態が発生。2014年は、天山が「確かに可愛い……」という隣で小島が、「俺の中ではマリアより天山の方が何十倍も何百倍も綺麗に映ってる」と健気な後輩ぶりを見せていたが、2015年には、「なんで俺のとこ来てくれへんの!?マリアよ、ままだ諦めへんぞ」という天山の横で、小島は、「最後の公式戦でマリアに惑わされる天山というのも、テンコジの魅力の一つだと、勝手に思ってる」……。これまた達観した様子であった。

 今年も多様な生き様や関係性が入り乱れるだろう『WORLD TAG LEAGUE』。シングルのリーグ戦とはまた違った魅力を楽しみたい。

2019 YEAR-END SPECIAL -年末特集-

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