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年末の注目大会を大特集

10人に1人は海外客!?なぜ、1月4日に開催?新日本プロレス、2020年1月4日、5日、東京ドーム2連戦特集!

海外からも観戦の、ビッグイベント!

 東京オリンピックを来年に控え、いよいよ日本も外国人観光客の姿が濃くなり始めたが、開幕前の五輪は別として、彼らが集まるのは、決して世界遺産の類や京都、奈良の有名観光地だけではない。本年、東京ドームに、全体の約1割5分、外国からの客を集めたイベントがあるのだ(『プレジデント』2019年8月2日号より)。

 それが新日本プロレスが毎年1月4日におこなう東京ドーム大会、通称、『1・4』(イッテンヨン)。そう、今や日本のプロレスは、世界が注目するコンテンツなのだ。現に新日本プロレスの試合動画配信サービス『NEW JAPAN WORLD』は、その登録者の半数が海外からの視聴者とか!

 しかも、毎年おこなわれるこの『1・4』が、来年はパワーアップ。なんと2020年1月4日、5日の2日間に渡って挙行されるのだ!

 プロレスにおいて過去最大数の集客を誇ったのは、1998年、同じ東京ドームで開催された『アントニオ猪木引退試合』(4月4日・観客数は主催者発表で7万人札止め)。その東京ドームでの2日連続興行となれば、間違いなくプロレス史上最大の祭典となる。

 今回は、この『1・4』、及び東京ドーム2連戦の魅力を総特集したい。

1月4日である意味

 1992年から続いている、この『1・4』。つまり来年で29回目になるわけだが、実は過去、ギネス認定に挑戦している。アピール面は、『同日、同ドーム大会での毎年開催』。ポイントは、「同日」となっていること。例えば、ドームでのイベント連続開催は、渡辺美里の西武ドームLIVE(20年連続)などがあるが、こちらは日にちはまちまち。実際、『1・4』も、集客し易い土日に合わせ、日付を移動する案が今まで何度も出たという。しかし、結局、これを堅守してきた。

 日付にも極めて利点がある。駅伝、大学ラグビーと、スポーツのビッグイベント目白押しの正月の中で、この1月4日は、空白日になりがち。ライバルがいないのだ。これもあり、当時の新日本プロレス社長。坂口征二が1996年には「これからは1月4日を『プロレスの日』として、毎年、東京ドーム大会を行う」と宣言。今に至っているのである。

 なお、ギネス挑戦が持ち上がったのは。2005年10月。この時は認定ならずだったが、そこから来年で15回分の上乗せとなる『1・4』。ぜひまたチャレンジしてほしい記録である。

なぜ、プロレス人気が復活?

 さて、ここ数年、皆さんが日常的に漏れ聞くワードがあることだろう。それは、「プロレス人気復活」。こちらは業界の盟主である新日本プロレスと置き換え、新日本プロレス人気の復活と言っても良いが、一体、何がそんなに変わったのだろうか?

『1・4』が始まった1990年代、新日本プロレス過去最大の売り上げを記録したのは1997年の約39億円。この年はなんと4大ドームツアー(東京、大阪、ナゴヤ、福岡)を敢行し成功。ところが、2000年代より売り上げは漸減。エンタメ色の強いプロレスは、当時の総合格闘技ブームに押されてしまったのだ。2010年前後には、年間売り上げ高が約11億円まで落ちてしまった。『1・4』東京ドーム大会も、2006年より2階席を閉鎖。観客動員も低迷した(※2010年に復活)。

 風向きが変わったのは、2012年1月、親会社がユークスよりブシロードに代わったこと。同社長(※当時)の木谷高明氏はプロレスを「キャラクター・コンテンツを使ったビジネス」と捉え、その魅力の増進に尽力。全選手にツイッター・アカウントの開設を義務化。現在では唯一の週刊専門誌『週刊プロレス』の、表紙をめくったすぐの2ページ(※出版用語で『表2』という)を年間購入。そちらに大々的に新日本プロレスの広告を打ち出した。つまり、表紙をめくると、すぐ新日本の情報が目に入って来る仕組みである。他、それこそ『1・4』や、真夏に行われる大規模な最強決定リーグ戦、『G1 CLIMAX』に当たっては、山の手線の側面や中吊り、主要駅の看板等にその広告を展開。初年度(2012年度)の広告費は約3億円にのぼったという。2016年にはサザンオールスターズや福山雅治が所属しる芸能事務所、アミューズと提携。所属選手の芸能活動による露出を増やして行った。現在でも、例えば六本木の交差点で、『1・4』の広告が期間限定で展開。ドロップキックを放った瞬間のオカダがパネル化されている。その2mの高さに驚くのも良いだろう。

東京ドーム2連戦で、1大会の味付けも!

 当日の試合に移ろう。1月4日のメインイベントは団体最強の証のベルト、IWGPヘビー級選手権。王者、オカダ・カズチカ(32)が、挑戦者、飯伏幸太(37)を迎え撃つ。前者はそれこそ、ブシロード体制になってからの新日本プロレス復興の立役者。試合内容の高さや先述の跳躍力の凄さはもちろんのこと、あのアマレス女王、吉田沙保里をして「メチャ恰好いい」「男前」と言わせた甘いマスクの持ち主。「まっすー(アイドルグループ、NEWSの増田貴久)をトップに5番手以内」(吉田。2013年『プロレス大賞受賞式』にて)とされていたが、本年4月に声優の三森すずこと結婚した。

 対する飯伏幸太も「今や新日本は観客の4割が女性」(『週刊東洋経済』2019年1月19日号)という、その人気を牽引するイケメンだが、変わったところではプロレスデビューの前年、新空手道交流大会のK-2トーナメント(中量級)で優勝。試合中、突如としてキレることがあり、その際、この強烈な打撃が顔を見せる。また、こちらも空中殺法はお手のもの。実は2011年から14年まで、その得意の空中殺法を少な目にしていた時期があったと言うが、2015年より、徐々にまた戻して行ったという。理由は「プロレス人気の高まりを肌で感じたから」。つまり、新たなファンに、やはり空中殺法の素晴らしさも見せたいのである。オカダと飯伏のシングルで対戦成績はオカダの2勝1敗。東京ドームのメインという大舞台で、得意の空中殺法をフィニッシュに持って来ての飯伏の捲土重来があるか、期待がかかる。

 また、1月4日には、新日本プロレスにおいてIWGPヘビー級王座に次ぐ至宝、IWGPインターコンチネンタル王座戦、王者、ジェイ・ホワイト(27)vs挑戦者、内藤哲也(37)も実現。実は今回の1月4日、5日の東京ドーム大会は、いずれも大会名が、『WRESTLE KINGDOM 14 in 東京ドーム』となっており、つまり、2日間で一つの大会という位置づけにされている。事実、4日の大会の上記の試合のそれぞれの勝者が、翌5日にIWGPヘビー級選手権をかけて戦うマッチメイクになっており、つまりここで、実質的な新日本のNo.1が決まることとなる。4日も当然だが、5日も見逃せないこととなるだろう。

引退・獣神サンダー・ライガーに注目!

 そして今回の東京ドーム2連戦のもう一つの主役が、引退をする獣神サンダー・ライガーだ。1月5日のカードは現時点で未定だが、4日のカードは、ライガー&藤波辰爾&ザ・グレート・サスケ&タイガーマスクvs佐野直喜&大谷晋二郎&高岩竜一&田口隆祐。何を隠そう、ライガーがプロレスラーを目指したきっかけが、今回同じコーナーに立つ藤波なのだ。

 小学6年生の時、専門誌に載った藤波の筋骨隆々の肉体に魅せられ、プロレスラー志望に。ところが低身長の時よりトレーニングに勤しんだため、筋肉が固まり、背が伸びず。やむなく、NHKのラジオ講座でスペイン後を学び、身長の制限なくプロレスラーになれるメキシコへ。現地で日本から来た山本小鉄との知己を得、新日本プロレスへ、いわば逆輸入入門となった。

 マスクマン、獣神ライガー(当時)への変身は1989年(平成元年)4月。ご存知のように全身コスチュームで、アセモに苦しみ、シャワーは一日4回が必須。デビュー戦の直後は、体重が3㎏減っていたという。汗でコスチュームが体に貼りつき、一人で脱ぐことも出来なかった。以前もこのコラムで触れたが、このコスチュームを試着してみた記者はビックリ。全く足元が見えない仕様だったのだ。そして、ライガー自身、すぐに分かったことがあったという。「これは、今までの3倍疲れる」と。そして、こう結論を下した。「なら、今までの3倍、練習すればいい!」

 若き時、既に長州力から、「お前は本当によく練習するなぁ。レスラーの鑑だ」と言われていた素顔時代のライガー。マスクマンになってからは、新日本に久々に参戦した“狂虎”、タイガー・ジェット・シンに、こう言われている。「俺、お前のファンなんだよ」

 実はマスクマン・デビューの場が、引退の場と同じ、東京ドーム。平成を戦い抜き、令和にマットを降りるレジェンドの姿を、ぜひ目の当たりにしようではないか。

2019 YEAR-END SPECIAL -年末特集-

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