台風18号の影響で、各地に大きな水害が起こっている。テレビでは濁流に家が流されるショッキングな様子が放送されたが、これが土木技術の発達して、治水工事の行き届いた日本のことだとは、にわかに信じられない映像だ。
●日本はもともと水害大国
たしかに、現代の日本ではあまり想像しにくい光景かも知れない。だが、かつての日本は水害大国とでも言えるくらい、大雨や台風による川の氾濫や土砂崩れが多い国だった。昭和に入ってからも、数百人規模の死者・行方不明者を出す水害が発生している。
人工物でいくらかためても、土台はやはり自然のもの。たしかに補強はできるだろうが、最終的には追いつかないということもあるだろう。
●地名...
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台風18号の影響で、各地に大きな水害が起こっている。テレビでは濁流に家が流されるショッキングな様子が放送されたが、これが土木技術の発達して、治水工事の行き届いた日本のことだとは、にわかに信じられない映像だ。
●日本はもともと水害大国
たしかに、現代の日本ではあまり想像しにくい光景かも知れない。だが、かつての日本は水害大国とでも言えるくらい、大雨や台風による川の氾濫や土砂崩れが多い国だった。昭和に入ってからも、数百人規模の死者・行方不明者を出す水害が発生している。
人工物でいくらかためても、土台はやはり自然のもの。たしかに補強はできるだろうが、最終的には追いつかないということもあるだろう。
●地名でわかる過去の水害
我々の先祖は、そういったかつての土地の様子を、メッセージとして地名にこめていることがある。その地名が今住んでいたり、これから移り住む地域が水害にあいやすい地域かどうかを判断するヒントになることがあるのだ。
例えば、国土交通省のホームページでは以下の文字を含む地名を含む土地は、かつて水害を経験した場合があるとしている。
・カワチ(川内)
・ナダ(灘)
・ウシ(牛)
・サワ(沢)
・フカ・フケ(深)
・リュウ(竜)
水を意味するサンズイの入った漢字はまだ想像しやすいが、「牛」や「竜」というのは意外だ。
昔の人は、丸太で組んだ構造物を川の底に沈め、水の勢いを制御していた。その構造物を牛に見立て、「牛類」「牛枠」「聖牛」などと呼んでいたらしい。そのような治水工事が必要な川はつまり、氾濫しやすい川だということだ。
また、竜が暴れる川のイメージだというのは、古今東西共通したイメージらしい。メソポタミヤ神話でギルガメッシュが竜を、古事記でスサノオノミコトがヤマタノオロチを退治する話は暴れる川を治めて平和と繁栄をもたらした古代の王権が神話化されたものと言われている。
●個別の地名の由来もヒントになる
また、今回堤防が決壊した「鬼怒川」だが、名前の由来の一説に、鬼が怒ったように荒れる川だからというものがある。所説あるうちのひとつだが、わざわざそのような当て字がなされたというのも何らかの意味がありそうだ。
上記のリストにあてはまらなくても、個別の地名の由来にもかつてそこに住んでいた人々からのメッセージとして、何らかのヒントは隠されていそうだ。
地名は、宅地開発や自治体の合併などで変わってしまっていることも多い。自分の住んでいるところは大丈夫だと思っていても、昔の地名を調べてみれば何か分かることはあるかも知れない。
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