インターネットが普及し、スマートフォンなどの端末を使用することで、いつでもどこでも、人と繋がることができるようになりました。電波のあるところなら、メールや電話の送受信が24時間可能になったのです。
しかし、これはすなわち、いつでもどんなときでも、仕事のメールや連絡の送受信ができるということになります。プライベートな時間に、深刻な仕事のメールなどを受け取ってしまうと、楽しい時間に水を差し、げんなりしてしまいますよね。オフの時間にどれだけ仕事のメールに返答をすべきか、悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。
このプライベート時間における仕事メールの処理は、日本のみならず国外でも気になる事象とし...
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インターネットが普及し、スマートフォンなどの端末を使用することで、いつでもどこでも、人と繋がることができるようになりました。電波のあるところなら、メールや電話の送受信が24時間可能になったのです。
しかし、これはすなわち、いつでもどんなときでも、仕事のメールや連絡の送受信ができるということになります。プライベートな時間に、深刻な仕事のメールなどを受け取ってしまうと、楽しい時間に水を差し、げんなりしてしまいますよね。オフの時間にどれだけ仕事のメールに返答をすべきか、悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。
このプライベート時間における仕事メールの処理は、日本のみならず国外でも気になる事象として扱われています。そこで、今回は2017年1月1日からフランスで始まった「勤務時間外のメールの送受信を抑制する法律」についてお伝えします。
●日本よりもフレキシブルなフランスの就業環境
「勤務時間外のメールの送受信を抑制する法律」は、2016年5月にフランス国内で制定された「オフラインになる権利(つながらない権利)」を発端としています。この権利は、プライベート時間を仕事から切り離し、「オフライン」になることを認めるものです。
しかし、フランスは日本よりも労働時間が厳しく制限されており、週35時間労働制が実施されています。有給消化率は日本が39%に対して、フランスはなんと100%(エクスペディアジャバンの調査による)。わざわざこんな法律を制定する必要もなさそうですが、そこはプライベートと仕事をきっちり分けるフランス。ワークライフバランスを非常に重視するお国柄ですし、このような法律が誕生することとなったのです。
●プライベートを確保する新法とは?
この「勤務時間外のメールの送受信を抑制する法律」は具体的に、従業員50人以上の企業が対象で、従業員が勤務時間外にメールを受けたくない、見たくないと思った場合、企業側が従業員のプライベートな時間を侵害しないようにすることを義務づけたものです。
実際に勤務時間外のメールの返信に賃金は発生しません。このグレーな時間にはっきりと白黒をつけようという政策なわけです。従業員の負担やストレスなどを軽減することが目的ですが、あくまで企業と従業員との間で交渉を行い、個別の対応が求められるため、現在のところ罰則があるわけではなく、実際どこまで普及するかは未知数です。
●日本でも「オフラインになる権利」は必要?
現在、日本でも「働き方改革」が政策にあがっていますが、フランスと同じように「オフラインになる権利」は必要とされるのでしょうか。法律で守ってもらえるのならば、「ぜひ施行を!」と思う人もいるかもしれませんし、逆にこれを堅苦しく思ったり、「事前にメールで連絡を取ることで、仕事の負担を減らすことができる」と考える人もいるでしょう。
日本だけでなく、仕事とプライベートのバランスをどう取っていくかは、多くの国々で課題としてあがっています。今後、この法律がどう生かされ、どのような影響が出るのか、注目して行きたいところです。
<参考サイト>
・エクスペディアジャバン(世界24ヶ国グローバル比較調査 有給消化率2013)
https://www.expedia.co.jp/p/corporate/holiday-deprivation2013
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