ケアコラム

生理に関するチェック&ケア

(06/04UP)

生理不順ケア⑤運動性無月経

●運動性無月経―スポーツと生理不順日本

女子がオリンピックやワールドカップで活躍し、表彰台に上る姿もずいぶん増えました。サッカー、レスリング、マラソン、バレーボール、ジャンプ、フィギュアスケートなど、スポーツ界での女性の活躍はめざましく、女性の社会進出の指標とも言えるでしょう。

しかし選手寿命が延びた今、女子マラソンを筆頭にハードなスポーツにより生理が止まってしまう「運動性無月経」は、女性の健康上の問題として注目され、その特徴として「摂食障害」「無月経」「骨粗鬆症」が心配されています。

一定の体脂肪量が必要な水泳選手等には比較的少なく、痩せていること、美しいことを求められる競技―器械体操・新体操・マラソンなどに頻発するようです。ではなぜ、本来健康なはずのスポーツ選手が無月経になってしまうのでしょう?

女性ホルモンのほか多くのホルモン分泌をつかさどる脳の視床下部に、過度なスポーツという「身体的・精神的なストレス」と「体脂肪の減少」という負担がかかると、脳は「ストレス=生命の危機!」ということで排卵にブレーキをかけてしまいます。
生命維持に必要なホルモンを優先して分泌し、排卵を命令する性ホルモンの分泌は後回しにしてしまうのです。無理なダイエットによる「体重減少性無月経」も同様のメカニズムで発症します。


もしも月経不順、特に「続発性無月経」となった場合は、将来の不妊症や骨量の減少といった、一生のQOLを低下させるリスクもあります。

オーバートレーニングによる無月経予防のためには、基礎体温計測により排卵を確認しながら、運動量や食事量を管理し、体重・体脂肪の適切なコントロールが重要です。しかし、運動のし過ぎが無月経を引き起こすからといって、全く運動をしないというのは肥満症や血行不良・冷えなどからくる月経不順の心配があります。

いずれも適切な管理を行うとともに、不調があったら、敷居が高いなどと躊躇せずに婦人科を受診しましょう。かかりつけの医療機関をつくり、定期的に検診を受けるという意識も必要ですね。

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