全ての毛穴には、皮脂を分泌するための皮脂腺があり、皮脂を分泌して、肌や髪の毛が乾燥するのを防ぎます。化粧崩れやテカリの原因にもなる皮脂ですが、分泌されなくなると肌は乾燥し、潤いのない肌になってしまうのです。また、皮脂は汗と混じって皮脂膜を作ります。この皮脂膜は弱酸性なので、細菌や病原菌の繁殖を防ぐバリア機能の役割もあります。

≪温めると開き、冷やすと引き締まる≫とは、知っておきたい毛穴の特性。この毛穴の開閉こそが、体温調節のための重要な役割。寒くなるとキュッと毛穴を閉じて、毛穴から体温が外に逃げるのを防ぎ、暑い時には毛穴を開いて体温を外に逃がすように働きます。とても寒い時や恐怖・驚きで、鳥肌が立ちますが、（普段は皮膚に対して斜めに生えている立毛筋が収縮して、まっすぐに毛を立てて毛穴が閉じられる）、毛穴を強く閉じて体温を逃がさないようにするためのものです。

毛穴にある皮脂腺からは、老廃物も排出されます。体内にある有害物質とは、食品に含まれている防腐剤や添加物、着色料など。「汗をかくと有害物質が排出される」と勘違いしている人も多いですが、厳密にいうと、汗は汗腺から排出され、皮脂とは異なります。有害物質（有害金属）は油性の性質があるため、皮脂に溶けて、皮脂腺（毛穴）から排出されるのです。

症状・原因
皮脂の分泌が多いため、毛穴が押し開かれて大きくなった状態。過剰な皮脂分泌は、気温の変化やホルモンバランスの崩れ、食生活の乱れ等が原因

特徴、箇所
小鼻の脇や頬を中心に目立つ毛穴

ケアポイント
クレンジングや洗顔の徹底

症状・原因
過剰な皮脂と老化角質が混ざって角栓ができ､その角栓や皮脂が酸化して黒ずんでしまった現象

特徴、箇所
イチゴのように鼻の黒いポツポツなどが特徴

ケアポイント
毛穴のふやかしと、角質ケア

皮脂の過剰分泌は、基本的に生活スタイルによるもの。唐揚げやファストフード中心の食事やホルモンバランスが崩れる事で、毛穴は詰まりやすくなります。「脂性肌」の方はもちろん、気温の高い暑い季節、男性ホルモンの影響を受けやすい思春期などは、毛穴が詰まりやすくなっています。

皮脂と対極にありそうですが、乾燥（潤い不足）は角栓が詰まる大きな原因。乾燥すると皮膚はカサカサして硬くなります。硬くなった皮膚は、毛穴の伸縮も悪くなって、毛穴は詰まりやすくなるのです。鼻の周りや口の下などに角栓が集中するのは、これが理由。

完全なクレンジングや洗顔、ベースメークが厚すぎる・メークを落とさずに寝る・・・・これらは、全て毛穴トラブルの元。特に毛穴に溜まりやすいのは、ウォータープルーフのファンデーション。メーク落としシートも毛穴の黒ずみを押し込んでいる可能性があるので注意。

毛穴が詰まるもう一つの原因は、新陳代謝の遅れによる古い角質の停滞。新陳代謝によって古い角質が自然にはがれ落ちるのは、毛穴の中も同じこと。新陳代謝が滞ると、角層が厚くなり毛穴は出口渋滞。皮脂や古い角質が毛穴の外に出られず、詰まってしまうのです。

なかなか取り除くことができない頑固な角栓には、意外にも油が有効。「油汚れは油で落とせ」といわれるように、カチカチに硬くなって毛穴にこびりついてしまった角栓を取りやすくするには、油で表面を溶かすのが一番手早い方法。毛穴が詰まりやすいと感じる方は、オイルや油分の多いクレンジングを選びましょう。

おすすめの洗顔方法は洗顔料をクリーム状になるまでよく泡立て、泡のクッションで優しく洗うこと。ゴシゴシ洗うのはかえって毛穴を塞いでしまい逆効果。皮脂が溶け出すのは35度位ですから、ぬるま湯洗顔がベスト。
但し、最後のすすぎは冷水で、肌を冷やし引きしめます。

毛穴の詰まりをなくす近道は、老化角質を除去するピーリング作用の化粧水が効果的。ある程度時間をかけても根本的に解消しようと思うなら、保湿とピーリングを意識した スキンケアを続けることが大切です。

美容液や毛穴が閉じるという化粧品をいくら使っても、なかなか毛穴の開きが治らないのは当然。水分がしっかり入る肌でなくては、効果が出ません。皮脂が気になる部分ほど、たっぷりと化粧水を肌に与えてあげましょう。
仕上げに、乳液やクリームを薄くのばします。「皮脂が気になるのに乳液やクリームをつけたら、またベタつきそう」と思う方もいるでしょう。ところがこの仕上げをしないと、せっかく肌に与えた水分が逃げやすくなります。そのため不足した潤いを補おうと、皮脂が過剰に分泌。肌の水分量を増やしてあげるようにしなければ、皮脂分泌は正常に戻らないのです。

毛穴汚れをやさしく取り除くために、加えたいのが“ふやかす”プロセス。あらかじめ毛穴まわりの肌を柔軟にしておくことで、やさしく汚れを取り除くことができます。このプロセスを行わないと汚れを無理に毛穴から引きはがすことになり、少なからず毛穴周辺の肌にダメージを与えてしまうことに。ふやかす方法は温かいスチームがおすすめ。半身浴で汗を出す、湯船に浸かる、蒸タオルを使う等の方法も良いでしょう。

毛穴の角化異常を正常化させる。毛穴の汚れを取り除いて、ターンオーバーをスムーズにできます。

肌に密着させ陰圧を生じ、毛穴の皮脂を吸引し、その後にレーザー照射をします。

レーザーによる熱作用で毛穴を引き締めます。

毛穴の詰まりが持続した場合と、肌の老化による場合がありますが、最近の知見では、毛穴の角化異常が指摘され、皮脂の成分中の不飽和脂肪酸により炎症が生じ、毛穴の角化異常となって、毛穴が開くことが判明しました。病院では、これに対するスキンケアも行えます。