ケアコラム

生理に関するチェック&ケア

(08/06UP)

生理痛ケア⑩つらい生理痛は病気のサイン?

現代女性の80%が月経痛を感じているといわれますが、大半はがまんしたり、市販の鎮痛剤を用いたりしているようです。
しかし、鎮痛剤が必要な人の約25%が子宮内膜症という報告もされていますし、今は内膜症でなくても、月経困難症があると将来内膜症になる率が2.6倍高くなるそうです。

子宮内膜症は、本来なら子宮内側にある内膜組織が、それ以外の場所(卵巣やお腹の中のいろいろな場所)に発生・増殖し、月経のたびに強い月経痛を起こします。また月経痛だけなく、臓器の癒着によって慢性の下腹部痛や腰痛などの症状も伴い、不妊の原因やがん化などの危険もあります。
鎮痛剤が効かないような強い生理痛は何かの病気のサインであることを理解して、早めに婦人科を受診しましょう。

子宮内膜症はエストロゲンの作用を受けて進行するため、月経を重ねるごとに症状がすすみます。これまで初期の場合は、鎮痛剤で痛みを押さえつつ経過観察を行う治療が主流でしたが、将来の妊よう性(妊娠する力)を維持するためには早い段階からホルモン療法を行って、病巣をひどくしないという治療方針に変わってきつつあります。

出典:日本子宮内膜症啓発会議HP(子宮内膜情報ステーション)
説明 生理痛の緩和 病巣を減らす・抑える 剤形・
特徴
鎮痛剤 子宮内膜症を治す働きはない。市販薬より、病院の処方薬の方が高い鎮痛効果。 × 内服薬
座薬
漢方薬 長期的な服用で効果。ティーンエイジや未婚女性に向いている。 内服薬
低用量ピル 女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンを組み合わせ、子宮内膜を薄くして生理時の負担を軽くする。20~30代の非喫煙者に向いている。 内服薬・長期投与が可能
黄体ホルモン剤 排卵を抑制して子宮内膜症の病巣を小さくしたり、生理を止めて痛みを和らげる。血栓症のリスクが上がる40歳以上や、高血圧等で低用量ピルが使えない場合などに向いている。 内服薬
長期投与が可能
GnRHアナログ 脳下垂体に働きかけ、女性ホルモンを閉経レベルに下げる。病巣が小さくなったり、消失したりという効果が得られるが、うつ状態や骨量低下など更年期に似た副作用も。 注射
点鼻薬
6ヶ月まで
ダナゾール 男性ホルモン作用で、女性ホルモンの分泌を抑え、卵巣でのエストロゲン合成を抑制し、内膜症組織の増殖を抑制する。 内服薬

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